BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

東京レイヴンズ 第11巻 感想

2014-05-13 16:48:43 | レイヴンズ
前巻に引き続き、第二部序章その2、という感じ。
静かな滑り出しだけど、最後のあたりで、ホントのラスボスはそれなの-?と。
いや、ある程度は予想していたけど、ホントにそっちに振るとは思わなかったw
なんか、最後は悪人はどこにもいませんでした、って感じになりそうで怖い。。。

ということで、感想本文の前に、スペース空けときます。















































とにかく、一番、えー!と思ったのは、最後に出てきた平将門かなー。

いや、これじゃ、第一部は夢枕獏、第二部は荒俣宏じゃないw

それでいいのか-!、って感じ。

で、最後に悪人はいませんでした、って展開になるのか、と思ったのは、ここなんだよね。とりあえず、現在、ラスボス認定されている倉橋+相馬連合(夜叉丸を含む)が試みようとしているのは平将門の鎮魂なんじゃないの?とか、そもそも夜光が行おうとしていたのも、それじゃないの?とか、夜光が転生しようと思ったのは、平将門の復活?が数十年後と星詠みされたから?とか、・・・、いろいろと浮かんでしまうわけですよ。

で、それを阻止するために冷酷に何とかしようとしているのが倉橋+相馬なんじゃないの?ってね。

そうなると、実は今、ラスボスと思われている人たちの多くは、実は、より大きな脅威に相対するために、第一部に描かれたような非道なことをやらざるを得なかった、・・・、てなことになりそうで。

と思うのも、本巻最後に示された今後のスケジュールがあまりにも短いから。

だって、あと数ヶ月じゃ劇的な成長は、夜光と化した春虎を除けば望めないでしょ。だから、基本的には本巻で示された技量で最終決戦?に臨むことになるんだろうな、と。

特に、冬児なんか、もうサードパージの解除でイッパイイッパイでしょ。

というか、彼の鬼の由来を考えたら、平将門が復活した時点で、数段パワーアップして半ばバーサーカー化する、という展開か、もしくは、最終的に利害が一致した夜叉丸に力の使い方を指南されて、何とか使いこなす、とか、そんなことでもない限り、劇的な変化は望めないんじゃないかな、と。

それにしても、前々から思っていたけど冬児の扱いは、ホントにヒドイ。

いくらなんでも、冬児に稽古をつける相手が鏡、ってのはないでしょー。

ここが本巻で一番残念だったところ。

なんていうか、ヤンキーを指導するのはチンピラぐらいでちょうどいいじゃん、って安易な感じがしてね。

少なくとも、冬児の方から鏡にアプローチするってのは、ありえないと思った。
逆ならまだしも。。。

つまり、冬児があるタイミングで鏡に見つかってしまい、そこで無理矢理、冬児から話を聞き出した鏡が情報代替わりに稽古をつけてやる、って話になって、冬児がしぶしぶそれを受け入れる。しかし、打算として正しい、ぐらいの話になってくれないと。

ただ、そうした細かい機微を描こうと思うと、確かにあとがきで作者が言ってるように、各キャラごとに一巻ずつ使わないと無理だから、ダイジェストして進めるって中で、冬児の方から願い出る、という展開にせざるを得なかったんだろうけど。

うーん。

まぁ、鏡が第二部で関わってこないとは思ってなかったけど、前巻の山寺の流れからすると、出身が山寺である鏡は、そっちの方から唐突に本編に関わってくると思ったんだけどねー。

そういう意味では、大友vs木暮、も長すぎ。

まぁ、あそこがなければきちんとしたバトルがないので、全体として地味な巻になってしまうという判断もあったのかもしれないけど。

・・・ということで、ざっくりいうと、本巻は期待はずれだった。

みんな、頑張ってます!というのはわかるんだけどね。
あと、天馬、持ち上げ過ぎ。

普通の子が頑張ってます!というのも一回だけなら説得力があるけど、続けて使われるとちょっとねー。むしろ、彼には、両親同様、式の開発力という点で、彼の才能を伸ばして欲しかったし、そういう描写が欲しかった。

何がいいたいのかというと、地味男みたいな感じで過剰に彼を落とす必要はないし、むしろ、彼は彼の才能をきちんと伸ばしていることをストレートに描写すべきだと感じたということ。実際、天馬の祖父は、天馬の隠形術に舌を巻いていたわけだし。


ともあれ、どうにも駆け足すぎたかな-、と。
これも、冬児同様、先を急ぎすぎた結果の弊害だよね。

それにしても、せめて、最後の鈴鹿の話ぐらいは次巻持ち越しでも良かったんではないか、と思った。

ということで、まずは、次巻に期待。

あ、そうそう、一応、夏目の正体、というか、出自が説明されたけど、それこそ、乙種呪術だと思って、全く信用していないw

そもそも捨て子だった、ということしか言われてないわけで。
しかも、泰純が説明しただけだけだから。
彼の説明を鵜呑みにしていいほど、東レの世界は優しい世界ではないと思っているのでw

とにかく、土御門、倉橋、相馬、若杉、・・・、の間の確執にも一応注目かな。
そもそも、倉橋源司、は過剰に「家」に拘っているわけだし。

そうそう、「源司」は「源氏」と同音だよね。
ラスボス候補が平将門となるとちょっと気になってくるw

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はたらく魔王さま! 第11巻 感想

2014-05-13 15:31:29 | はたらく魔王さま!
前巻で一応終結した「魔王vs勇者のエンテ・イスラ因縁編」の落穂ひろい的な後日譚と、次巻以降の新章開始に向けた助走が示された、って感じ。

一言で言えば、「精算」回。

というわけで、部分的には本文の内容にも触れるので、スペース空けときます。













































いやー、ホントに「精算」回。

それにしても、マグロナルド幡ヶ谷駅前店が出ると、和むね~。

8-10巻のエンテ・イスラ編が、マジでファンタジー、しかも、ラブコメファンタジーになってしまっていまいちだな~と感じていた理由がよくわかった。

やっぱり、この物語は、世知辛い京王線沿線が舞台だからこそ生きてくる、長屋住まいの人情ものなのだ、と実感。

ホント、ベタなファンタジーは勘弁して欲しい。

そういう意味では、本巻の最後の、セフィロトの秘密周りの話は、ちょっと嫌な雲行きだな、と思い始めている。

なんていうか、真面目にファンタジー始めちゃったのかー、と。

いや、異世界は異世界でどこにあってもいいんだよ、そんな細かい設定はどうでもいい。だって、セフィロトという言葉が出てきた時点でもう十分オカルトだしファンタジーなんだから

それを他の「惑星」・・・、なんて無理矢理、サイエンスで説明しなくていいんだよ。

長屋の人情モノが本質であるこの物語からすれば、エンテ・イスラはどこかにある異世界ぐらいで構わない。単なる背景、設定でしかない。それをマジメに語り始めると、その方向でディテールを重ねることを止められなくなるから、ただ、ドツボにはまるだけだと思うんだよね。

いや、だってさー、エンテ・イスラはある惑星で、人間界はその惑星にあって、魔界は赤の月、天界は青の月、って、そんなこと言われたら、その時点でもう夢やぶれちゃうじゃない。

てか、みんな、オルバになっちゃうじゃん、それじゃ。

だって、要するに、悪魔は青の月世界人で、天使は赤の月世界人。

しかも、例の宇宙飛行士とか思い出せば、その昔、エンテ・イスラにいた古代人?が何かのタイミングで月に移住して、その環境に適応するために、それこそ遺伝子操作とか人体改造で生まれたのが、悪魔であり、天使である、・・・、とかの説明がなされるような流れだと思うのだよね。

悪魔や天使が長寿であることも、そうした人体改造の結果。

となると、たとえば、今回、真奥がちーちゃんの気持ちを受けとめることはできない、といっていた寿命問題も、悪魔と天使の由来の話にまで戻せば実は解決可能である、てことになりそうだし。

てか、ちーちゃんが聖法気とか使えるところからみれば、実は地球人とエンテ・イスラ人のベースとなる身体スペックは大して変わらない・・・、というか多分互換性がある、という話になるのだろうし。

そうした惑星は違えど「人間」としてのスペックはほぼ同水準、ってことを保証する役割が、多分、ミキティおばさんたち、セフィロトに連なる人?たちだよね。

てか、ミキティたちは創造神に連なるもの、ってことで神様ってことでしょ、この物語世界の。だから、ミキティの志波という姓だって、要するに、シヴァ神のことでしょ。(しかし、最近、インド神を扱う話多いな-)。

なので、どうもねー。

そういう設定、というか、どこぞの神話とSFのちゃんぽんみたいな話を設定として聞かされるのは辛い。実際、今回の内容の多くは、そういう設定の説明に費やされていたわけで。

大体、世界の秘密、とかにマジメに肉薄しようとすると、物語の内容が無駄にインフレを起こして、かつ、進行が遅くなるんだよね。そりゃそうだよ、話が無駄にでかくなるんだから。

そういう意味では、エミリアの新バイト先をマグロナルドにしたのは、残念。てっきり、センタッキーにいって、真奥と売上を競う、なんてことを頑張るのかと思っていた。

まぁ、急遽デリヴァリーサービスを始める、という話が出たきたあたりから、ああ、コールセンターの経験者なら歓迎されるな、と思っていたのだけど、まさかホントにそうなるとは・・・。

この作者は、よくも悪くも、予想を裏切らないところがねー。
はっきり言って、イマイチ。

裏返すと、予想を裏切らずに人情モノを扱って、ホロリとさせるのが得意な人だと思うのだよね。なので、余計に、設定掘り下げの方向に行くのが心配でならない。

ともあれ、ずっと狂言回しの役割をしてきたライラの登場と、漆原の天使化の件で、次巻は、一気に次の目標が定められそう。

もう、いっそのこと、その勢いで、あと2-3巻ぐらいで完結するほうがいいんじゃないかな、と思えてきた。

だって、日常で、真奥と恵美がギャーギャー喧嘩する理由がなければ、ラブコメにならないじゃんw

なんにせよ、今のままでいくと、とっても中途半端な終わり方しか待っていないように思えてくる。

ちゃんと軌道修正してくれないかな。。。
日常回が面白いだけに、切実にそう思うな。

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