うーん、これはねー、
いろいろな意味でエグい。
この物語の様々な「制約」に触れている。
ということで、既にバレ気味に始まっているけど、スペース、空けときます。
いやー、凄い。。。
基本的には、作中で何度も折に触れ言及されていた「三年前の事件」の顛末。
実は、そのクライマックスだけなら、アニメ第1話の冒頭で描かれている。
で、何が「追憶」されたかというと、
達也が戦略級魔法師としての才覚に目覚める。
深雪が達也を「お兄さま」として認定する。
達也が特尉となった経緯を示す。
達也が初めて「人体再生」のために「再生」魔法を行使した。
達也の母である深夜がいかに(表面上は)ろくでなしの母であったか。
達也がいかにして「情動」を失ったか。
同時に深夜がいかにして母の情を失ったか。
達也と大亜連合との因縁の始まり。
・・・
などが主だったところかな。
で、まとめると、
精神干渉魔法、怖い!
の一言に尽きる。
それがもっと明らかになるのが、本編の後に置かれた、真夜が子供の時に起こった誘拐事件を扱った「アンタッチャブル」。
いやー、四葉、怖えええええ!
というか、第四研の研究内容があまりに非常識で困る。
作中、人体操作を行う第一研の研究内容(一条の爆裂や、市原の神経操作)がタブー視されていたけど、そんなの全然、比ではない。
結局、四葉ならびに第四研が行ってきたのは、そもそも魔法とは何か?ってことに近いんだよね。
精神干渉魔法を通じて、新たな魔法の開発に迫る、
というわけで、結果的に、道具として練磨した結果生まれた精神干渉魔法に秀でた魔法師と、目的として開発された「異能の新魔法」を行使する魔法師、の二系統が四葉の特徴となる。
たとえば、
深雪や深夜は、前者の、精神干渉魔法に長けた魔法師
達也や真夜は、後者の、異能の新魔法を行使する魔法師
という具合に。
そして、達也の場合は、あまりに異能過ぎて、従来の「魔法」のカテゴリからはみ出てしまった結果、精神改造されて低速スペックの人造魔法師となってしまい、今に至る、ということになる。
・・・のだが。。。
いろいろ考えると、おかしなところ、というか、もしかしたらこっちじゃない、という不気味な方向をいろいろと考えさせられてしまうわけで。。。
その筆頭が、実は、
達也の(生物学上の)母親は真夜じゃないのか?
とかね。
作中、達也と深雪は遺伝子上は紛れも無く兄弟だ、ということを確か深雪が言っていたと思うのだけど、いや、一卵性双生児って遺伝子は同じなんだよね。
だから、父親さえ司馬達郎でありさえすれば、母親は深夜でも真夜でも実はどちらでも構わないはずで。
もちろん、この巻で真夜は誘拐された時の人体実験によって生殖機能を失った、ってあるわけだけど、そんな結果が出るような人体実験をしたのなら、当然、サンプルとして真夜の卵子ぐらい採取されていたと思うのだよね。
で、先走ると、横浜騒乱編で確か記憶操作をする人物として中華街の周というのがいたはずだけど、彼とか、実は、真夜の卵子を使った調整体なんじゃないの、と思ったりしてしまうわけで。
で、同じことを四葉でも行ったのではないか、とね。
そもそも、司馬達郎にしてから、そのサイオン量の多さから深夜との縁組が生じたわけで、明確な精子目当ての結婚だよね。だから、単純にブリーディング、つまり品種改良の要領で子をなした、ということ。
そう考えると、この追憶編には達郎は一切出てこないのも納得できるし、深夜が亡くなった後、達郎がとっとと再婚しているのもわかる。しかも、15年前に引き離された相手と。ということは、達郎は、単純に、現在の地位を四葉に保証してもらうことを条件に深夜と戸籍上は結婚した、ってことになるのではないか、と。
で、もう一つ、気になっているのは、深夜は「アンタッチャブル」の中で真夜に対して行った記憶変容の魔法を悔いた結果、10代を荒れたように魔法師として活躍してしまい、カラダがボロボロになってしまったらしい。で、以後は療養中ってことだった。
なのだが、しかし、そんな身体が弱い女性が、年子の子供なんか産んだりできるのだろうか、と思うんだよね、素朴に。体力がない、と言ってるのだから。
となると、試験管ベビーなのか代理母なのかはわからないけれど、とにかく体外受精した卵子から誕生したのが達也と深雪ではないのか、と思ってしまう。
で、その場合は達郎の精子に対して、真夜か深夜の卵子とが組み合わされればいいわけで。で、大亜連合のどこかの研究所から、真夜の培養された卵子を調達してきて、受精させればいいわけで。
技術的には、調整体シリーズ「桜」もあるわけだから、体外受精した卵子から出産することも既に出来てしまえるのだろうし。
正確には、多分、達也が最初に体外受精した子供として育てられたわけだけど、彼に通常の魔法師の能力がなかったため、第2号として深雪が誕生したのかもしれない。
もちろん、二人ともがこうした実験体である必要はなくて、どちらかは自然の組み合わせで、どちらかは人工的な組み合わせだった、でもいいのかもしれない。
で、多分、達也と深雪のこうした出生の秘密を知っているのは、四葉の中では諜報を担当する黒羽の面々で、年齢からすれば黒羽貢あたりではないかな、という気がする。だから、彼は執拗なまでに達也を忌み嫌っているのかもしれない。
ともあれ、達也と深雪の出生の秘密については、この先、引っ張るのだろうな、と思う。
そして、こんなふうに考えてくると、達也の情動の部分を消去した深夜による精神改造手術も逆に、達也が、もろもろも真実を知って狂わないようにするための事前措置であったのかもしれない。深夜からすれば、歪んだ親心ともいえるもので。その結果、深夜までも、母としての愛情を失ってしまったわけだけど。
で、あと結局描かれなかったものとして、深夜がどうして亡くなったのか、ということはまだわからないままなんだよね。
ただ、この後の「来訪者編」から、物語が一気にサイオンやプシオンを扱う、オカルトちっくな世界に突入していくことを考えると、実は深夜は、肉体としては死んだけど、霊体としては実は生きている、なんて展開になりそうな気もしている。
精神干渉魔法の使い手として、深雪のコキュートスのような形で自分の精神を氷付けることによって、実は肉体から自由になってしまうとかね。
とりあえず、そういう霊的存在が来訪者編には登場するわけだから。
というわけで、この8巻の内容は、深雪の回想記という見た目に反して、実はハードな内容がてんこ盛り。この世界の理、少なくとも四葉の血統の重さ、異常さ、に繋がる内容がそこかしこにあって、結構、ゾクゾクした。
しかし、ホントに、達也の母が真夜だったらどうなるのだろう。。。
その場合、四葉の継承者筆頭は達也になってしまうのではないの?
それはそれだけで、この世界では大事件だよね。
霊体の問題と、四葉の血統の問題。
これらは、この後もずっと尾を引く主題だと思う。
いろいろな意味でエグい。
この物語の様々な「制約」に触れている。
ということで、既にバレ気味に始まっているけど、スペース、空けときます。
いやー、凄い。。。
基本的には、作中で何度も折に触れ言及されていた「三年前の事件」の顛末。
実は、そのクライマックスだけなら、アニメ第1話の冒頭で描かれている。
で、何が「追憶」されたかというと、
達也が戦略級魔法師としての才覚に目覚める。
深雪が達也を「お兄さま」として認定する。
達也が特尉となった経緯を示す。
達也が初めて「人体再生」のために「再生」魔法を行使した。
達也の母である深夜がいかに(表面上は)ろくでなしの母であったか。
達也がいかにして「情動」を失ったか。
同時に深夜がいかにして母の情を失ったか。
達也と大亜連合との因縁の始まり。
・・・
などが主だったところかな。
で、まとめると、
精神干渉魔法、怖い!
の一言に尽きる。
それがもっと明らかになるのが、本編の後に置かれた、真夜が子供の時に起こった誘拐事件を扱った「アンタッチャブル」。
いやー、四葉、怖えええええ!
というか、第四研の研究内容があまりに非常識で困る。
作中、人体操作を行う第一研の研究内容(一条の爆裂や、市原の神経操作)がタブー視されていたけど、そんなの全然、比ではない。
結局、四葉ならびに第四研が行ってきたのは、そもそも魔法とは何か?ってことに近いんだよね。
精神干渉魔法を通じて、新たな魔法の開発に迫る、
というわけで、結果的に、道具として練磨した結果生まれた精神干渉魔法に秀でた魔法師と、目的として開発された「異能の新魔法」を行使する魔法師、の二系統が四葉の特徴となる。
たとえば、
深雪や深夜は、前者の、精神干渉魔法に長けた魔法師
達也や真夜は、後者の、異能の新魔法を行使する魔法師
という具合に。
そして、達也の場合は、あまりに異能過ぎて、従来の「魔法」のカテゴリからはみ出てしまった結果、精神改造されて低速スペックの人造魔法師となってしまい、今に至る、ということになる。
・・・のだが。。。
いろいろ考えると、おかしなところ、というか、もしかしたらこっちじゃない、という不気味な方向をいろいろと考えさせられてしまうわけで。。。
その筆頭が、実は、
達也の(生物学上の)母親は真夜じゃないのか?
とかね。
作中、達也と深雪は遺伝子上は紛れも無く兄弟だ、ということを確か深雪が言っていたと思うのだけど、いや、一卵性双生児って遺伝子は同じなんだよね。
だから、父親さえ司馬達郎でありさえすれば、母親は深夜でも真夜でも実はどちらでも構わないはずで。
もちろん、この巻で真夜は誘拐された時の人体実験によって生殖機能を失った、ってあるわけだけど、そんな結果が出るような人体実験をしたのなら、当然、サンプルとして真夜の卵子ぐらい採取されていたと思うのだよね。
で、先走ると、横浜騒乱編で確か記憶操作をする人物として中華街の周というのがいたはずだけど、彼とか、実は、真夜の卵子を使った調整体なんじゃないの、と思ったりしてしまうわけで。
で、同じことを四葉でも行ったのではないか、とね。
そもそも、司馬達郎にしてから、そのサイオン量の多さから深夜との縁組が生じたわけで、明確な精子目当ての結婚だよね。だから、単純にブリーディング、つまり品種改良の要領で子をなした、ということ。
そう考えると、この追憶編には達郎は一切出てこないのも納得できるし、深夜が亡くなった後、達郎がとっとと再婚しているのもわかる。しかも、15年前に引き離された相手と。ということは、達郎は、単純に、現在の地位を四葉に保証してもらうことを条件に深夜と戸籍上は結婚した、ってことになるのではないか、と。
で、もう一つ、気になっているのは、深夜は「アンタッチャブル」の中で真夜に対して行った記憶変容の魔法を悔いた結果、10代を荒れたように魔法師として活躍してしまい、カラダがボロボロになってしまったらしい。で、以後は療養中ってことだった。
なのだが、しかし、そんな身体が弱い女性が、年子の子供なんか産んだりできるのだろうか、と思うんだよね、素朴に。体力がない、と言ってるのだから。
となると、試験管ベビーなのか代理母なのかはわからないけれど、とにかく体外受精した卵子から誕生したのが達也と深雪ではないのか、と思ってしまう。
で、その場合は達郎の精子に対して、真夜か深夜の卵子とが組み合わされればいいわけで。で、大亜連合のどこかの研究所から、真夜の培養された卵子を調達してきて、受精させればいいわけで。
技術的には、調整体シリーズ「桜」もあるわけだから、体外受精した卵子から出産することも既に出来てしまえるのだろうし。
正確には、多分、達也が最初に体外受精した子供として育てられたわけだけど、彼に通常の魔法師の能力がなかったため、第2号として深雪が誕生したのかもしれない。
もちろん、二人ともがこうした実験体である必要はなくて、どちらかは自然の組み合わせで、どちらかは人工的な組み合わせだった、でもいいのかもしれない。
で、多分、達也と深雪のこうした出生の秘密を知っているのは、四葉の中では諜報を担当する黒羽の面々で、年齢からすれば黒羽貢あたりではないかな、という気がする。だから、彼は執拗なまでに達也を忌み嫌っているのかもしれない。
ともあれ、達也と深雪の出生の秘密については、この先、引っ張るのだろうな、と思う。
そして、こんなふうに考えてくると、達也の情動の部分を消去した深夜による精神改造手術も逆に、達也が、もろもろも真実を知って狂わないようにするための事前措置であったのかもしれない。深夜からすれば、歪んだ親心ともいえるもので。その結果、深夜までも、母としての愛情を失ってしまったわけだけど。
で、あと結局描かれなかったものとして、深夜がどうして亡くなったのか、ということはまだわからないままなんだよね。
ただ、この後の「来訪者編」から、物語が一気にサイオンやプシオンを扱う、オカルトちっくな世界に突入していくことを考えると、実は深夜は、肉体としては死んだけど、霊体としては実は生きている、なんて展開になりそうな気もしている。
精神干渉魔法の使い手として、深雪のコキュートスのような形で自分の精神を氷付けることによって、実は肉体から自由になってしまうとかね。
とりあえず、そういう霊的存在が来訪者編には登場するわけだから。
というわけで、この8巻の内容は、深雪の回想記という見た目に反して、実はハードな内容がてんこ盛り。この世界の理、少なくとも四葉の血統の重さ、異常さ、に繋がる内容がそこかしこにあって、結構、ゾクゾクした。
しかし、ホントに、達也の母が真夜だったらどうなるのだろう。。。
その場合、四葉の継承者筆頭は達也になってしまうのではないの?
それはそれだけで、この世界では大事件だよね。
霊体の問題と、四葉の血統の問題。
これらは、この後もずっと尾を引く主題だと思う。