べレンティには午後着いたのですが、翌朝散歩をしていると相馬さんはカメラを片手に「ベローシファカ」というサルの観察をしていました。あの猿は1年前に生まれた「○○」という名前でまだ充分に行動が観察されていないので、といいながらカメラのシャッターを切っていました。名前があるのですかと尋ねると記号ではなく名前をつけるのは日本のサル学の伝統ですと話してくれました。
また彼女の現地の人たちとの会話が日本語、フランス語、英語でなく現地のコトバであったことに感銘を受けました。
日本の京都大学を中心とするサル学は戦後都井岬での馬の研究に始まり今や世界の最高水準で、特にアフリカ大陸での類人猿研究はよく知られています。しかし原猿類しかいないマダガスカルにまで研究が及んでいることは小山氏の著書を読むまでは知りませんでした。