2007年3月16日の再録です。(一部修正)
世界最大規模の自然科学、産業技術などを展示するミュンヘン大博物館で面白いものを見ました。ツアーでは観光コースには入っていませんでしたが、自由時間を利用して出かけてみました。写真も自由に撮れこの方面に興味のある人には必見のところです。
時間も経過し安いプリントで見にくい写真ですが人力車です(写真中)。隣にはジェイムスワットの蒸気機関車(写真下)、前には第2次世界大戦でドイツが世界に誇った飛行機メッサーシュミット(写真上)が展示してありました。この中での人力車です。正直なところちょっと嫌な気がしました。
人力車は明治2年(1869年)日本人が発明したもので東南アジア、インドなどで現在も活躍しており、英語にもなっています。“Rickshaw”は 簡単な英和辞書にも載っています。
ついでに余談話。 人力車と並んで日本的なものとされている乗り物が「駕籠」です。歴史学者田中彰氏はその著「岩倉使節団『米欧回覧実記』」岩波書店(p179)で「『回覧実記』がコペンハーゲンの国立博物館で「日本ノ物件モ頗ル備リ、大ナルハ駕籠に至ルマデ陳列セリ」(岩波文庫四p147)と書き記しているとし、氏は「この駕籠はいまもある」と述べています。
この駕籠は日本「特有のもの」ではないそうで(以下は板倉聖宣「日本史再発見」朝日選書による)1623年ロンドンで発明されました。西洋の場合「椅子駕籠」なのでラテン語の「腰掛ける」という意味のセダンと呼ばれそれが現在の自動車のセダン型の名前になったそうです。