「彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もないーこれが恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響を受けさせることが、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるかどうか、疑わしくなる。私は質素と正直の黄金時代を、いずれの他の国におけるよりも多く日本において見出す。生命と財産の安全、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる。(中略)私は日本に来てから、汚い貧乏人をまだ一度も見ていない」
上記の文章の「日本」を「ブータン」に置き換えると私のブータンの総括的印象記になります。
この文章は幕末から明治初期にかけての「逝きし日本の文明」を来日した外国人の手記を主な資料として活写した「逝きし世の面影」(渡辺京二著)に引用された初代アメリカ駐日公使ハリス(1804年~1878年)の「日本滞在記」の一節の孫引きです。
私は幕末から明治初期にかけての日本と現在のブータンとがなんとよく類似してかとこの大冊「逝きし世の面影」を読みながら思いました。
ブータンへお出かけの予定がある人、すでに行かれた人たちにこの「逝きし世の面影」をお勧めします。
写真は世界一幸福なブータンの人たちです。なお中央に見えるのはマニ車です。マニ車については2011年10月10日、13日、16日をご覧ください。
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