ゾロアスター教は紀元前7世紀に生まれたゾロアスターを始祖とし、この世界は善神アフラ・マヅダと悪神アーリマンとの戦いで最終的にはアフラ・マヅダが勝利を収めるというイランで生まれた世界最初の一神教です。火を尊ぶということから拝火教とも呼ばれることがあります。ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教に多大な影響を与えたとされています。
日本には関係ないと思われがちですが、かの松本清張は古代日本にイラン人がゾロアスター教とともに渡来し古代遺跡ならびに日本の習俗にその痕跡が見られるという説をかなりたくさん書いています。また、東洋工業の車はマツダ車といわれており、勿論創業者の松田に関係しますが、マツダのローマ字表記を見るとMazdaになっています。これは善神アフラ・マヅダに懸けています。
ついでにもう一つニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」のツァラトゥストラはゾロアスターのドイツ語です。
ゾロアスター教で有名なのは「鳥葬」です。(イランでは約30年前に禁止)大地と火を汚さないため塔の上(沈黙の塔)に遺体を置き鳥に食べさせます。写真はヤズドにある鳥葬の行われる沈黙の塔です。
なおこのゾロアスター教は中央アジア一帯に広がっており、ウズベキスタンでは鳥がいないところで犬に食べさせたという話しを現地ガイドがしてくれました。専用の犬を飼育していたというのです。日本に帰ってゾロアスター教の関係の本を読んでもそのような話しを見つけることはできませんでした。今回の旅行でも。ご存知の方は教えてください。
追記
前回 assassination の語源について紹介しましたが、異説があるようなので追記をしておきます。それは陳舜臣がNHKの「シルクロード第8巻」(43)で書いています。。「日本大使館の片倉公使は****私にいろんなことをお知えられた。暗殺者assassin の語源についても、原理主義を意味するアラビア語asas の複数形から来たという説も紹介された。現代ペルシア語でも、このことばは、原則、基礎の意味に用いられている。ペルシア語の辞書を引いて気付いたことだが、ほかにasasaに大集会という意味もある」
http://www13.plala.or.jp/JLIS/jlislink/linkmazda.html
なお、この商標は世界中で使われていたようです。
http://www.oldchristmaslights.com/the_mazda_lamp_story.htm
この辺りは、パレスチナの石投の論理についても記録されているおもしろい箇所です。理解しがたい旧約聖書ですが、時折、聖書はすべての答えを出してくれることもあります。
私がゾロアスター教を知るきっかけとなったのは、ヘルマン・ヘッセの”デミアン”です。
あの小説の解説を読んだとき、ヘッセがユングのグノーシスを語る書物を読み、異端の宗教の話なのでペンネームで発表したことや、その小説を読んだユングが、その内容からヘッセが書いたものであることを悟ったことなどが書いてありました。キリスト教については何も知りませんが、ドイツ人がキリスト教以外の宗教について興味を持つということは非常にめずらしいのでしょうか?ヘッセは思想的にも老子や易経などを読み込んでいたそうですが、ヘレニズムのどこに惹かれて彼がその小説を書いたのか、
難しいことですが、知りたい気がします。
奈良のお水取りなど、日本でも火を神聖なものとして考える思想は、ゾロアスター教からきているという考えもあるようです。
ミステリアスな古代思想です。。。