採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

オリーブ塩漬け

2011-01-27 | +野菜系保存食

12月に泊まりに来てくれたお友達から、珍しいおみやげを頂きました。
それは、生のグリーンオリーブ。

お庭にオリーブの大木があるお家のそばを通っては、ゆびをくわえて眺めたりしたことはありましたが、実物を手に入れるのは初めてです。

いったいどうやって漬けるんだろう?
聞いてみると、「私の知り合いのイタリア人は、塩水に漬けておくだけみたいよ」、とのこと。
何だか特殊な薬剤を使うと聞いたこともあったけれど、塩だけなら簡単だわ・・・。

日本語のレシピはあんまり無いだろうなと思いつつ念のため、「オリーブ 漬け方」で調べてみると、それはもう沢山の方法が。

ええっ。

手作りオリーブ漬けって日本でもうこんなに一般的なものだったの!?
オリーブの実はどこの産直でも見かけないので、ノーマークでした。びっくりだ。

そういえば、住宅地で随分大きく育ったオリーブの木も見たことがあるし、ヨーロッパのハーブなどが流行し始めた××年前に植えられた木が、実を付ける時期なのかもしれません。

さてさて作り方。いくつか挙げますと・・・。

■苛性ソーダ等でのアク抜き派
(1)2%の苛性ソーダ溶液に12時間ひたし、水洗い(8時間おきに3回)。2%の塩水で2~4日間漬け水洗い。4%の塩水で本漬け。2,3日後以降が食べ頃。(参考サイト

(2)沸騰したお湯にタンサンとグリーンオリーブの実を入れて火を止め、6~7時間そのまままにしておく。水で何度も洗ってアク抜きします。薄い食塩水(5%)に数日漬け、その後濃い食塩水(10%)に漬けかえ、砂糖を少し加えて半年ほど発酵させる。 (参考サイト


■水でのアク抜き派
(3)大きなオリーブの実はナイフで縦に四つ、小さな実には三つ切れ目を入れる。十日ほど毎日水を取り替えて灰汁出しをする。その後レモン・にんにく・ハーブを入れた塩水に漬け込む。(参考サイト

(4)容器にオリーブを入れ水に浸す。 毎日水をとりかえ、10日後に6~10%の塩水に漬けなおす。 一ヶ月後、味見をしてみて渋みが取れていたら完成。(参考サイト)(参考サイト

(5)2週間水にさらして、塩水で煮沸、塩水に漬ける。 (参考サイト

(6)7キロのオリーブを、毎日水を換えて1週間水に漬ける。1キロの塩を水に溶かし、刻みレモン500g、唐辛子適量、半カップのオリーブオイル、水を切ったオリーブとよく混ぜる。液体が必ずかぶるようにして保存し、4ヶ月後以降が食べ頃。(参考サイトとその出典

(7)オリーブの種類に合った切れ込みを入れる(入れない種類もある) 。10~14日間水にさらして灰汁抜きする。 食塩水に漬ける。 最終仕上げはオリーブ油と酢等で瓶詰めにする。(参考サイト

■塩水直接漬け派
(8)卵が浮くぐらいの塩水と一緒に入れて、冷蔵庫に放置。2週間~1ヶ月ごとに塩水を交換する。約半年後、渋かったオリーブが、ある日オリーブの味になったら、水気を切ってハーブやガーリックなどの好みの味付けをする。(参考サイト

(9)傷をつけたオリーブを濃い塩水(馬鈴薯が浮く位の)に一週間ほど漬け込み、その後ハーブとにんにくを入れた薄い塩水に漬け込む(参考サイト

(10)オリーブを10%の塩水に漬ける。(参考サイトとその出典動画(英語14分))


日本語サイトだけでもこんなに情報が。
イタリア語などその他オリーブの本場の国の言語だと、大変な数になりそうです。

オリーブの品種や収穫時期、そして漬ける人の好みなどによって無数のバリエーションがあるようです。

私が選んだやり方は、このなかでも一番簡単なもの。10%の塩水に漬けるだけ、という(10)です。(お友達によるとイタリア人もこうやってるっていうし)
量も少ないので、まずは実験です。
半年も待つと、渋かったオリーブが「ある日オリーブの味になる」そうですし、気長に待ってみます。

洗って、ヘタのところなどちょっと掃除しているところ。

ちょっとした傷があって取り除こうかと切り目を入れてみたら、中が大々的に傷んでいました。

他にもこういうものがあるかも?
よく分からないけど一緒に漬けちゃいます。
卵が浮くほどの塩分濃度(10%)なので、オリーブも浮きまくります。落としぶたなどの工夫は必須です。

途中、塩水を取り替えるとよいという説もありますが、イタリア風に、とりあえずこのままだ!

■■オリーブ塩漬け
■材料
オリーブ
10%塩水
おとしぶた
蓋もガラスのガラスビンもしくはペットボトルなど

■今回の作り方
(1)オリーブを洗って、傷んでいるものは取り去る。
(2)10%の塩水をつくり、冷ましておく。
(3)容器にオリーブを入れ、完全にひたるくらいに塩水を入れる。
浮かないように落としぶたでしっかりおさえつける。
(4)冷蔵庫の野菜室へ入れ、美味しくなるように祈る。

 
じつは作り方を調べたのは、作ってしまってから。
塩水に漬ける前に、10日ほども水に漬ける、という方法が思いのほか多数派で、いまちょっと不安です。
でも、考えてみたら、イタリアやフランスの水と日本の水では、随分硬度が違うのでは?
日本で漬ける場合、水漬けはなくてもいいかもしれないし・・・(こじつけ)。

もし何キロものオリーブが手に入ることがあったら、もうちょっと本格的に、手の込んだ漬け方をしてみたいものです。
このあたりの産直にオリーブの実が出回るのはいつのことか・・・。



■2012/2/29追記

冷蔵庫の野菜室でずっと眠っていましたが、ようやく開封してみました。
本当は半年ほどでよかったのかもしれませんが、ぼんやりしている間に1年ちょい経ってしまいました。 

でも、見た目は全然普通。

オリーブの色はモスグリーンに、塩水の色はうす茶色に変わっています。
実は、まだしっかり固めです。
 


そして緊張の味見!

食べてみると、おおおおおお、オリーブの味だ~。

多少塩辛いですが、渋みはなく、ちゃんとオリーブの味がします。
缶詰の種抜きオリーブは、なんだか気の抜けたような味しかしませんが、こちらはしっかりオリーブ風味。
水に漬ければ塩抜きはいくらでもできるし、料理に使うには塩辛いままでも大丈夫です。

単に塩水に漬けて放置しておいただけなのに、こんなに美味しいものが出来るとは。

オリーブさえ手に入れば、(デパ地下などで)高いオリーブ漬けを買わなくていいということだわ。
どこかに生のオリーブ、売っていないかな・・・・。
本気で欲しいです。


■2015年10月追記
その後小豆島のグリーンオリーブを購入する機会がありました。 詳しくはこちらの記事を。
苛性ソーダでのアク抜き、および塩水漬けを試してみました。
苛性ソーダでのアク抜きは、ほぼ確実です。浅漬け状態はナッツのようで美味でした。
塩漬けは、冷蔵庫保管がよさそうです。
(常温の方がアクが早くぬけるかと一瓶取り出してみたらカビてしまってダメになっちゃいました)
青いオリーブのためものすごく時間がかかりましたが一応食べられるようになりました。 

コメント (10)
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