お友達から、この時期でないと手に入らないという、イタリアのお菓子を頂きました。
(marinoさん、ありがとうございました!)
カルネヴァーレ(謝肉祭)の揚げ菓子、キャッケレChiacchiere というものです。
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クロワッサン・ドールCroissant D'or という老舗お菓子屋さんのもの。 |
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中はこんな感じ。基本的には細長いのですが、3列分で1枚になっています。 |
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あまり油脂を含まない薄い生地を揚げてあって(揚げたあとにオーブンで加熱してあるのだとか)、更にほどよくふくらんで空洞も出来て、パリッパリ。 |
イタリア料理シェフの方によるこちらのブログによるとこのキャッケレはミラノ地方での呼び名で、「おしゃべり」という意味だそうです。
ほかに、トスカーナでは「Cenciチェンチ」(布切れ)、リグーリア、ピエモンテでは「Bugieブジーエ」(うそ)と呼ばれるとか。
私は、子供の頃にお菓子の本で見たドイツ、ローテンブルクのお菓子シュネーバーレン(こちらのサイトに写真が)を思い出しました。シュネーバーレンは、長いリボン状の生地が球形にまるまっている(丸い金網に入れて揚げるのだったか)揚げ菓子です。
(特にカーニバルのお菓子という訳ではなさそうですが・・。)
食べる分には、短いリボン状の方が食べやすそうですね。
他にもイタリアのカルネヴァーレのお菓子としては、トルテッリ(フリテッレ)という揚げ菓子があって、これは揚げシュー生地のようです。揚げて空洞になった部分に、カスタードやリコッタなどクリームを詰めるのだとか(美味しそう!)。
クリームを詰めず、干しブドウを混ぜて作ったフリテッレ・ヴェネツィアーナは、ヴェネツィアで特に愛されているのだとか。
(そういえばこれ、栃木の産直のパン屋に売ってて食べました!ちょっと脂っぽかったけど生地は好みでした!)
カーニバル時期の揚げドーナツといえば、ドイツのクラプフェンやポーランドのポンチキがあります。
これは、円盤型のパン生地のもので、ミスタードーナツのエンゼルクリームに似た感じのもの。
こっちも、季節になるとみんな食べまくるもののようです。
本来は、謝肉祭というのは、食事の節制と祝祭の自粛をする四旬節(灰の水曜日(2/4~3/10。2021は2/17)~復活祭の前日の46日間)の前日。
節制直前に、美味しいものいっぱい食べちゃえ、ということだったのでしょうか。
(真冬、エサが十分に確保できないためもあり豚を屠畜したのだそう。このとき脂からラードがたっぷりとれるので、揚げ物を作る習慣があったのでしょうね)
今となっては、四旬節中、お肉屋さんやお菓子屋さんが閉まるようなことはないと思いますが、この時期になってしまうと、カーニバルのお菓子は、作らなくなるお菓子屋さんもあるようです。(復活祭までは作っちゃう、という場合もある模様)
ヨーロッパに行くならば、念のため四旬節前までか、新たな始まりの復活祭後がよさそうですね。
〇謝肉祭関連スケジュール
┌灰の水曜日の約一週間前(謝肉祭期間のスタート)
│脂の木曜日(灰の水曜日の6日前) この日は、ポーランドでポンチキをいっぱい食べる日だとか
│(この一週間くらいが謝肉祭)
└マルディ・グラ(フランス語)/告解火曜日(灰の水曜日の前日、謝肉祭最終日)
┌灰の水曜日(2/4~3/10頃)
│(この間が四旬節。46日間)
└復活祭の前日
復活祭(3/22~4/25頃)
○かんちがい
ごく比較的最近になって、カーニバル(謝肉祭)は、厳冬期直前の、食材食べ尽くし祭りのようなものだなーと理解するようになりました。
それまでは、子供の頃に刷り込まれた「リオのカーニバル」という単語でしか知りませんでした。
でもって、グラマラスな美女がビキニ水着のような薄着で練り歩く様子から、カーニバルって、なんか、盆踊りや夏フェス(←この単語は昔はなかった)みたいなものかなーと思い込んでいましたが、(本来は)夏と違うし・・・・。
■参考情報
謝肉祭のお菓子で検索すると興味深いページが沢山出てきます。
イタリアのカルネヴァーレ菓子
ベニスのフリテッレ
フランスの謝肉祭菓子ベニエ
イタリアの謝肉祭菓子