熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

佐倉:オランダ風車の回るチューリップ畑

2009年04月22日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   印旛沼に面した佐倉市のふるさと広場で、例年どおりに、オランダ風車の回るチューリップ畑に花が咲き乱れていて美しい。
   ふるさと広場と銘打っているが、畑の中に小屋があってオランダから輸入した風車が回っているだけの所なのだが、周りの畑に、公表138種50万本のチューリップが植えられていて、この4月の中旬には、大変な人出となる。
   チューリップ祭は、15日までだったのだが、まだ、広大な畑には、チューリップが咲き乱れていて、極彩色に織り成す素晴らしい空間が広がっていて楽しませてくれる。

   風車のあるチューリップ畑の北面に接して、1キロメートルほどの一直線の桜並木が池畔に沿って伸びていて、その向こうには葦が生え、養殖柵などが浮かぶ印旛沼が、春霞にけぶりながら広がっている。そのオープンさが実に清々しくて良い。
   この口絵写真のように、たった4本だが、並木道沿いのほうき状のポプラが点景となっていて、ここへ来ると、ふっと3年間住んでいたオランダのことどもを思い出す。

   オランダのチューリップ公園で有名なキューケンフホフの周りがリセと言う田舎町で、周りには、一面にチューリップやスイセン、ヒヤシンスなどの広大な球根畑が広がっていて、季節には、極彩色の光の帯が空間を圧倒する。
   桁ははるかに違うのだが、一部の雰囲気は、この佐倉のチューリップ畑と似ていて、キューケンホフにも一基だけ風車が残っていて、畑から遠望するとチューリップ畑の中央に風車が浮かび上がる。
   オランダは、全土殆ど平地でフラットであり、水に囲まれているので、この印旛沼の畔の、広大なチューリップ空間が、私には、実に懐かしいヨーロッパでのふるさとの写しえとなっているのである。

   オランダに居た時は、ロンドン、パリと飛び回っていたので、休みが取れると、特に行き先を特定せずに、一人で車を走らせてオランダの田舎町を巡った。
   ミシュランのグリーン本(観光案内版)と赤本(ホテル・レストラン版)、それに、ミシュランの地図は必ず手元にあった。
   しかし、載っていない様な田舎道に分け入ったり、気に入ったところで小休止するのであるから、とにかく、気ままな一時だったが、何処までも清潔で美しいオランダの田舎が好きであった。
   尤も、オランダの道は、田舎道だと運河沿いなどで直線で比較的分かり良いけれど、アムステルダムなど、くるくる螺旋状で、いくら行っても道に迷って困ったのだが、いずれにしろ、走れば2時間くらいで国境を越える小さな国なので、道に迷っても、家に辿り着くには動作はなかった。
   真っ暗な運河沿いの道(柵などある筈がない)を、恐る恐る走ったことも、今となっては、懐かしい思い出である。

   チューリップ畑沿いの桜並木横の細い車道を走りながら、懐かしいオランダの田舎道を思い出していた。
   生まれたばかりでよちよち歩きの子羊や、醜いアヒルの子である白鳥の雛の行列に会ったのも、この田舎道であった。
コメント (1)
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