熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

不動産仲介手数料を半額取り戻した

2019年02月22日 | 経営・ビジネス
   不動産仲介手数料を半額取り戻した経緯は、次のとおりである。
   親戚の夫妻が、東京の某所の新築住宅を気に入って、不動産仲介業者と契約をして、手付金と仲介手数料を100%支払った。
   しかし、しばらくして、別の物件が気に入ったので、キャンセルしようとして連絡したら、契約通り、手付金と仲介手数料は一切返せないと回答してきた。
   当の物件は、まだ、旧建物の解体中で姿さえ現しておらず、1年後の引き渡しであり、以前に我々が取得した住宅の仲介手数料の支払いは、いずれも、物件引き渡し時に支払っていたので、建物さえ形を成していない段階で、全額仲介手数料を取って、その一部さえ返せないと言うのはおかしいのではないかと考えたのである。

   したがって、仲介手数料はどう言う位置づけなのか、参加団体が、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 (一社)不動産流通経営協会 (公社)全日本不動産協会 (一社)全国住宅産業協会 である不動産ジャパンのHPを開いて調べてみたら、
   仲介手数料について、次のように書いてある。
   「仲介手数料は売買契約が成立して初めて発生する」
不動産の取引の仲介では、売買契約が成立したときに不動産会社の仲介手数料の請求権が発生します。(一般的に「成功報酬」といわれています。)したがって、売買契約が成立するまでは、原則として、不動産会社に仲介手数料を支払う必要はありません。
   「手数料の支払い条件も協議する」
売買契約が成立すると、不動産会社に仲介手数料の請求権が発生しますので、例えば、売買契約成立時に仲介手数料の全額を不動産会社に支払っても、違法というわけではありません。ただし、不動産売買では契約締結時点で引き渡しまで完了していないことが多いことから、一般的には契約締結時に仲介手数料の50%を支払い、引き渡し完了時に残りの50%を支払うことが望ましいとされています。

   売買契約時に、仲介手数料の請求権が発生するので、売買契約成立時に仲介手数料全額を取られても違法ではない。
   しかし、一般的には、「成功報酬」と言われているので、契約締結時には引き渡しまで完了していないので、一般的には契約締結時に仲介手数料の50%を支払い、引き渡し完了時に残りの50%を支払うことが望ましいとされている。と言うことである。

   念のため、新しく取引しようとしている不動産会社など複数の会社に、仲介手数料の支払いについて照会してみたら、半々か、物件引渡し時点と言う会社など区々であったが、物件の影も形もなく引き渡しは1年後だと言う物件で契約時に100%の仲介手数料をとると言う会社はなかった。
   この会社の仲介手数料の取り扱い方が、他の不動産会社と違っていることとか、仲介契約に、支払いは相談とすると書いてあるのに一切の相談もなく、ずぶの素人に十分に説明もせずに、ハンコを押させた感じであった。

   この件について、どう考えればよいのか、宅建協会や不動産協会や関係ありそうな機関に電話して対応を聞いてみたら、どっちつかずのいい加減な返事が多くて、役に立たなかったが、大元の不動産ジャパンからは、明快な回答を得たのである。
   
   関係官庁は、成功報酬と言う考え方を取っていて、引き渡しまでは、仕事半分であるので、契約時に50%、引き渡し時に50%の支払いの方向で指導しているので、十分、半額返却の交渉は可能であるので、申し入れを行うべきで、ダメな場合は訴訟すればよい。勝訴した判決もあり、返してもらえる可能性が高い。
   東京都庁へ行って相談して指導してもらえと言って担当部署と電話番号を教えてくれて、さらに、訴訟するなら、即決でもあり簡便なので、少額訴訟が良いとまで教えてくれた。

   この指導に勢いを得て、東京都庁に電話を掛けたら、係員にもよるのであろうか、返却云々の明確な答えは得られなかったが、都庁や各地方団体には、無料の弁護士による法律相談の制度があるので、詳しいことは、そこで相談すればよいと指示してくれた。

   早速鎌倉市の市民法律相談に予約を入れて、弁護士に指導を仰いだら、訴訟に値するのでやればよいが、この場合には、少額訴訟ではなく、僅かな印紙税程度で、言いたいことが言えて、何でも申し入れることができて自由に訴訟ができるので、民事訴訟で対応すべきだと指導してくれた。
   後日、対策を考えて、再び、別な弁護士に指導を仰いだところ、仲介手数料訴訟のケースを、判例や専門弁護士のHPなどをチェックして、色々なケースを説明して貰った上に、私見だがとして、満額返却の可能性もあると示唆してくれた。

   親戚の当事者が、契約解除を伝えに行った当日、会社に、仲介手数料の返却を願い出たところ、事務所長は、返却の可能性を示唆しながら上司と相談するので、年明けまで待って欲しいと言って、年末年始2週間も待たせて、その挙句に、返せないと言う回答をしてきた。
   その前に、新たに決めようとしている物件について、自分たちでも仲介できるのでやらせてくれとメールしてきており、よもや、新旧二件のディールで二重に手付金や仲介手数料を取る筈がないと思ったので、少なくとも、仲介手数料を返す可能性があると踏んでいたのである。

   しかし、どうしても会社のやり方が卑劣で納得できないので、前述の見解を総合して、当事者の親戚に指示して、不動産会社と再交渉させたが、返却交渉には応じて貰えなかった。

   仕方がないので、代理として、私自身が直接電話して申し立てを行ったが、その時点では、埒が明かなかった。
   数日おいて、弁護士にも了解を取っており、主張すべき論点は十分に語っておいたので、相手方との電話交渉を記録したメモを作成して、メールで送付した。
   その時、相手との電話において、念を押しておいたので、東京都庁に行って行政指導を仰ぎ、その後、民事訴訟を行って、結果如何に拘わらず、その経緯及び顛末を、ブログに書いて民意を問う旨書き添えておいた。
   
   メールの内容に、誤りなり、誤解など不都合があれば、連絡いただきたい旨書いておいたが、回答なく、翌々日、不動産会社から親戚の当事者に電話がかかってきて、私と争っても仕方がないので、会社として仲介手数料の半額を返すことになったと言ってきて、翌日、社長名の文書が送られてきた。
   どうも、ルーティン的な文書であったので、こんな問題は、この会社では珍しくないのではないかと勘繰らざるを得なかった。

   当事者は、違法ではない以上法律上は争えないと諦めていたのだが、私自身は、常識的に考えておかしいと思えるようなことが、まかり通っているなら、正直者がバカを見ることになるので、正すべきは正そうと思ってやった。
   戦術的に適切であったかどうかは疑問だが、公序良俗に反するようなビジネス慣行は、極力排除すべきだと思っている。
コメント
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