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インターネットを叩いていたら、 世界経済フォーラム(WEF)が、The Global Competitiveness Report 2016–2017 を発表したことが分かった。
時事通信の記事は、「日本の競争力、8位に後退=技術革新力に衰え-世界経済フォーラム」とのタイトルで、
”日本の総合順位は138カ国・地域中8位で、前年の6位から後退した。技術革新力や高等教育の質などの評価が下がり、全体の足を引っ張った。日本は、研究機関の質などの評価が下がり、「技術革新」の項目で8位に後退。日本は07年から15年までの間、常にこの項目で5位以内に入っていただけに、「日本の優れた技術革新力が衰えつつあるように見える」と指摘した。” と報じている。
順位は、1位から、スイス、シンガポール、アメリカ、オランダ、ドイツ、スウェーデン、イギリス、日本で、中国が28位、インドは39位、ブラジルが81位、
イギリスは、Brexit前なので、ランクダウンするであろうが、上位の大半は、経済主体として成り立つ経済ではないので、順位には、それ程、拘ることはないと思う。
実質的には、アメリカとドイツに対して、日本が、どれだけ競争できるかであろう。
このレポートのハイライトの日本に関する記述をチェックしてみると、次のようなコメントがついていた。
昨年は6位であったが、スウェーデンと英国に抜かれて第8位に後退。
マクロ経済は、良くなりつつあるとは言え、膨大な政府債務の赤字と日銀の2%インフレ目標が実現されたのは、たったの1年だけ。
労働市場のダイナミズムに欠けている。雇用の採用解雇などに柔軟性が欠如しており、女性労働の率は高所得経済国では最低。有能な外国人労働者にとっては、参入への魅力に乏しい。
国内市場は、比較的非競争的で、参入や企業創出への障壁が高い。
明るい側面では、インフラが十分整備されており、企業は、非常に高度化されていて、特に、上手くコントロールされた国際的な配送システムに乗ったユニークな製品や生産プロセスに優れている。
質の高いリサーチ機関や企業が、R&Dに投資して、更に、潤沢な有能な科学者やエンジニアに恵まれており、非常にイノベイティブな経済環境を形成している。
しかし、日本のイノベーションへの名高き名声が、衰えつつあり、2007年から2015年まで5位以内にあったにも拘らず、今や8位にランクダウンしてしまった。
指数的に足を引っ張たのは、技術革新の項目では「企業の研究開発投資」「研究機関の質」「産学連携」などでの評価ダウン、制度の項目で、企業倫理や投資家保護に加え、知的財産の保護や政治家への信頼度の低下だと言う。
このレポートは、WEFが勝手に調査して報告しているのではなくて、慶応大学の経済学者や経済同友会のスタッフなどが参画しているので、それなりに、評価しても良いのであろう。
10項目の評価数字を指数化してのランキングなので、その手法そのものには問題もあろうが、前述した評価を見れば、結構、日本経済の真実をついているように思う。
一番気になったのは、WEFの記述、
Japan’s innovation prowess seems to be eroding: consistently ranked in the top 5 between 2007 and 2015, Japan loses three positions and now ranks 8th.
日本経済の最大の誇りであった筈のイノベーション立国JAPANの凋落の兆しである。
豊かな歴史と伝統を誇る世界屈指の文化国家日本の本領は、最先端を行く科学技術を駆使して築き上げたイノベーション大国としての誇りであった。
しかし、四半世紀も、実質経済成長ゼロでは、悲しいかな、奮起を祈る以外に仕方がないのかも知れない。
前世紀の後半、私は、ヨーロッパに居て、欧米との企業競争に明け暮れていたのだが、ベルリンの壁が崩壊する頃まで破竹の勢いで、Japan as No.1を突っ走っていた頃を想えば、懐かしい限りであるが、
一方では、その後四半世紀、日本経済が失速停滞して、鳴かず飛ばずであったにも拘わらず、まだ、国際競争力が上位にあるのが、信じられないと言う気持ちにもなっている。
時事通信の記事は、「日本の競争力、8位に後退=技術革新力に衰え-世界経済フォーラム」とのタイトルで、
”日本の総合順位は138カ国・地域中8位で、前年の6位から後退した。技術革新力や高等教育の質などの評価が下がり、全体の足を引っ張った。日本は、研究機関の質などの評価が下がり、「技術革新」の項目で8位に後退。日本は07年から15年までの間、常にこの項目で5位以内に入っていただけに、「日本の優れた技術革新力が衰えつつあるように見える」と指摘した。” と報じている。
順位は、1位から、スイス、シンガポール、アメリカ、オランダ、ドイツ、スウェーデン、イギリス、日本で、中国が28位、インドは39位、ブラジルが81位、
イギリスは、Brexit前なので、ランクダウンするであろうが、上位の大半は、経済主体として成り立つ経済ではないので、順位には、それ程、拘ることはないと思う。
実質的には、アメリカとドイツに対して、日本が、どれだけ競争できるかであろう。
このレポートのハイライトの日本に関する記述をチェックしてみると、次のようなコメントがついていた。
昨年は6位であったが、スウェーデンと英国に抜かれて第8位に後退。
マクロ経済は、良くなりつつあるとは言え、膨大な政府債務の赤字と日銀の2%インフレ目標が実現されたのは、たったの1年だけ。
労働市場のダイナミズムに欠けている。雇用の採用解雇などに柔軟性が欠如しており、女性労働の率は高所得経済国では最低。有能な外国人労働者にとっては、参入への魅力に乏しい。
国内市場は、比較的非競争的で、参入や企業創出への障壁が高い。
明るい側面では、インフラが十分整備されており、企業は、非常に高度化されていて、特に、上手くコントロールされた国際的な配送システムに乗ったユニークな製品や生産プロセスに優れている。
質の高いリサーチ機関や企業が、R&Dに投資して、更に、潤沢な有能な科学者やエンジニアに恵まれており、非常にイノベイティブな経済環境を形成している。
しかし、日本のイノベーションへの名高き名声が、衰えつつあり、2007年から2015年まで5位以内にあったにも拘らず、今や8位にランクダウンしてしまった。
指数的に足を引っ張たのは、技術革新の項目では「企業の研究開発投資」「研究機関の質」「産学連携」などでの評価ダウン、制度の項目で、企業倫理や投資家保護に加え、知的財産の保護や政治家への信頼度の低下だと言う。
このレポートは、WEFが勝手に調査して報告しているのではなくて、慶応大学の経済学者や経済同友会のスタッフなどが参画しているので、それなりに、評価しても良いのであろう。
10項目の評価数字を指数化してのランキングなので、その手法そのものには問題もあろうが、前述した評価を見れば、結構、日本経済の真実をついているように思う。
一番気になったのは、WEFの記述、
Japan’s innovation prowess seems to be eroding: consistently ranked in the top 5 between 2007 and 2015, Japan loses three positions and now ranks 8th.
日本経済の最大の誇りであった筈のイノベーション立国JAPANの凋落の兆しである。
豊かな歴史と伝統を誇る世界屈指の文化国家日本の本領は、最先端を行く科学技術を駆使して築き上げたイノベーション大国としての誇りであった。
しかし、四半世紀も、実質経済成長ゼロでは、悲しいかな、奮起を祈る以外に仕方がないのかも知れない。
前世紀の後半、私は、ヨーロッパに居て、欧米との企業競争に明け暮れていたのだが、ベルリンの壁が崩壊する頃まで破竹の勢いで、Japan as No.1を突っ走っていた頃を想えば、懐かしい限りであるが、
一方では、その後四半世紀、日本経済が失速停滞して、鳴かず飛ばずであったにも拘わらず、まだ、国際競争力が上位にあるのが、信じられないと言う気持ちにもなっている。