体罰指導は時代遅れなのです

今日は平成26年度のスタートにあたり、体罰指導について私の考え方をチーム保護者の皆さんにお伝えしておきます。

東京都小学生バレーボール連盟から、今年度、下記のような宣誓書を各団体の指導に携わる大人全員が署名捺印し、提出するように指示がありました。私たち辰巳ジャンプも指導にあたっている5名の署名捺印をしました。

(宣 誓 書)
当団体は、公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)の定める『倫理規定』および『指導における倫理ガイドライン』を理解し、その遵守を誓います。一切の体罰・暴力、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントを否定し、選手の人格と人権を尊重しながら、健全なバレーボールの発展に貢献し、社会の良きシンボルとして信頼されるよう努めます。
当団体において、体罰・暴力、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントが行われた際は、貴連盟よりのいかなる処分も受け入れます。
当団体は、他団体においての体罰・暴力、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントを確認した際、その事実を速やかに貴連盟に報告いたします。
以上、宣誓いたします。


辰巳ジャンプチームとしては、あまりにも当たり前の内容であり、こうした話題がネット上で白熱化した10年以上も前に、「体罰をする指導は無能指導者の証明」という考え方を示しました。

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『体罰はなぜいけないのか』(2001年10月10日の辰巳ジャンプブログ記事より)

なぜ今、このようなことを書くのか。それはアメリカの軍事行動が始まったからです。今からその共通点を私なりに明らかにします。

「同時多発テロ事件」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

「報復攻撃」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

「教育上の体罰」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

みんな根っこは同じ。土の上に出てくる幹が太いか細いかのちがい。たった1度でも体罰で解決することを味わった子どもは、その子が指導者や親になって、せっぱ詰まった時に「体罰」で解決することを思い出すのです。何人もの親がそのことを証明してくれました。「私も子どもの時にそうだった」と言って・・・・・。
この思想を根絶やしにすること以外に平和はないと確信しています。

『体罰をする人間は、実力がない人間。』これが私の信念です。

指導者は「忍耐の鎧(困難を耐え忍ぶこと)」を身にまとった勇者。これが辰巳ジャンプの指導者像です。

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じつは都小蓮が体罰に関する宣誓書を義務付けた1年目、辰巳ジャンプは最後の最後まで宣誓書を提出しませんでした。その理由は、「体罰はダメだ!」と訴えた私の主張を抑えられた経験にありました。数年前、強く体罰禁止の主張をした我がチームの意見は取り上げられず、その後数年間、体罰指導を放置していたのに、今さら宣誓書を出せとは何なのか? 辰巳ジャンプでは体罰などありえない。だから絶対に宣誓書を出す必要はない。これが宣誓書を出さない理由でした。連盟の役員から何度も出すように説得をされ、しぶしぶ提出したのが辰巳ジャンプの歴史です。

だから辰巳ジャンプに体罰指導はありえません。チームの保護者の皆さんも、子供たちも、安心してバレーボールを続けてください。キラキラと笑顔輝く、誰もが応援したくなる子供たちの姿こそ、辰巳ジャンプの目指す小学生バレーボーラー像です。そうなるように指導を工夫していきます。

もうすぐファミリーマートカップ全国大会予選が始まります。一人も脱落することのない「全員バレー」の辰巳ジャンプで予選を勝ち抜きます。そのことが辰巳ジャンプ史上最強チームの証です。さらにご近所のチームの力も引き上げて、一緒に都大会に出ることができたら、それが私たち辰巳ジャンプのメンバーの力にもなると私は思っています。


東京都教育委員会では、体罰防止について下記リンクのような対応策を示しています。学校の管理職は皆、この方針を熟読しています。

体罰根絶に向けた総合的な対策について

全部読むのも大変なので、チーム保護者の皆さんにぜひ読んでいただきたい記事をリンクしておきます。

体罰防止に関する特別講演会の記録(講演者 瀬古利彦氏、小出義雄氏、セルジオ越後氏、山口香氏)

チームに関わる大人全員で学び合い、みんなで協力してこれからも子供たちを輝かせていきましょう。大人の努力に対して、子供たちが『感動』という心の宝物をプレゼントしてくれます。それを楽しみに頑張りましょう。

時代は確実に変わっています。東京オリンピックに向けて動き出した日本です。スポーツ指導(メンタルトレーニング)も科学的・心理学的に効果のある指導を開発していけたら素晴らしい。小学生スポーツの指導が世界一レベルになっていくように、今から取り組んでいかないと間に合わない。辰巳ジャンプは世界の人たちの模範となれるようなチームを目指していきたいですね。
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