
路面電車の未来を先取りしたHi-tramの姿を目にしたところで、いま走っている路面電車についても味わっておきたい....というわけで、去る7月末の京都出張のついでに撮った嵐電のモボ301をアップしてみましょう。まぁ、厳密にいえば専用軌道もあり、完全な路面電車というわけではありませんが...(^^;)。
阪急嵐山駅を出て、まるで蒸し風呂のような渡月橋界隈をヘロヘロになりながら歩いて行きますと、土産物屋通りの奥にやっと見えて来ました、嵐電の嵐山駅! 「頼むから阪急・嵐電・JRの駅が互いにメチャクチャ離れているのを何とかしてくれ....」と文句タラタラこぼしながら歩いて来た私でありますが (今さらどうしようもないのは勿論百も承知)、伝統の京福グリーンに身を包んだ電車がポツンと客待ちをしている姿を目にすると、やはりほっとしますね....。
そこでまずは先行するモボ600に乗り、釣掛の小気味良いサウンドを楽しみつつ太秦広隆寺へ移動。帷子ノ辻駅付近にjR太秦駅が出来た結果、混同を避け観光客への便宜を図るために「広隆寺」の名前をくっつけたのでしょうが、何やら老舗が若造 (=JR)に屋号を持って行かれたような悲哀を感じるのは私だけでしょうか?

さて、太秦広隆寺で降りたところ、ちょうど嵐山行きの電車としてモボ301が御登場! しかも映画村のHMを除いて全く広告がない完璧な姿! モボ600以降のデザインの車両がメインになってしまった嵐電については、太秦でちょこっと撮れば良いか....という程度に考えていたのですが、昭和の良き時代の姿をとどめた電車が車庫で寝ておらず御登場下さったとあっては、嵐山から戻って来るまで粘らずにはいられません (笑)。そして待つことしばし、会心のカットをゲット! (1枚目)
いやはや....むかし10代の頃、車内がニス塗り+白熱灯で芸術品の趣すらあったモボ111・121を追い求めて嵐電に何度も通ったものですが、当時は「モボ101 (車体更新車) や301なんて、海坊主みたいで全く興味ないや」としか思っておりませんでした (汗)。それが今では、嵐電最高の「当たり」として必死に追い求めるようになるとは....。自分が歳をとったのか、それとも嵐電が大きく変わったのか....。
そんな嵐電は、今やJRの攻勢に加えて京都地下鉄東西線の太秦天神川延伸により、どう見てもかつてほどの混雑はなく、果たしてこの先大丈夫だろうか....と思うのも事実。しかし、嵐電がない京都というのも考えられず、嵐山には嵐電を使って行くのが一番風流だと思いますので、モボ301には引き続き嵐電のイメージリーダーとして頑張って欲しいものです。