
周知の通り先日、叡電で最後まで非冷房・釣掛駆動で残っていたデオ600のさよなら運転が行われました。個人的な叡電との付き合いとしましては……如何にも「京の雅」そのものな半鋼製車・デナ21やデオ200が健在だった頃に2~3度訪れたことがありますが、当時はカルダン駆動のデオ300や、元阪神・デナ500の車体更新車であるデオ600は所詮「ハズレ」扱いで余り真面目には撮らず、今考えてみれば非常にもったいないことをしたものです (汗)。そこで、数年前に撮り鉄の道に復帰して以来、デオ600の走行シーンをいつかはまともに撮りたいと思っていたのですが、結局それも叶わずついに廃車……(T_T)。先日のさよなら運転は、無理をして行こうと思えば日帰りで行けなくもなかったのですが、秩父日帰りの後で既にグッタリしており、しかも明日また京都に日帰り出張することになっていますので、結局ボツ (^^;)。
まぁ、私が叡電を度々訪れたのは、まだ京阪が出町柳に到達しておらず、かつ市電もなくなって久しく、叡電がまさに陸の孤島だった時代のこと。京福叡山本線・鞍馬線が分社化されて叡電と名前を変えながらも、低迷する利用状況にあえぎ、日中はどの電車も空気輸送に近かったのを思い出します……。そんな中でのんびり・まったりと叡電を味わったことから、京阪に乗って観光客が殺到する今の叡電は隔世の感があり、同慶の限りとはいえ自分勝手な違和感を感じていたのも確かです (^^;;;)。ましてや、撮り鉄でパニックの叡電なんて想像したくもないわけで……そんなことも結局、叡電デオ600の引退を遠くで見守るという判断に結びついたという次第です。

というわけで、デオ600の画像ではなくて恐縮ですが、そんな叡電のいまを当ブログとしても綴ってみようかと思いまして、ちょうど1年前の今頃、出張ついでに撮影したデオ720の旧塗装をアップしてみることにしましょう (いちおう京都鉄路巡礼シリーズの一環としておりますが、夏に撮ったわけではありませんので、表題には「?」を追加しております。笑)。
デオ700シリーズは、まさに分社化された叡電の発足まもない80年代後半、沈滞したムードを打ち破るために (?) デナ21やデオ200を車体更新することによって生まれた、主に八瀬遊園行きワンマン用車両ですが (デオ730は京阪1800系の機器流用)、当時はもちろんこのような色と車体の電車は、およそ内心思い描いていた叡電のイメージとかけ離れた歓迎されざる車両でした。そこで、来れば「いらねー」とブツブツ……(^^;;;;)。しかし、あに図らんや! その後デオ800・900 (しかも後者はガラス張り!) が現れるに及んで、単行でのんびりと走るデオ700シリーズは、カルダン駆動化という変化はありながらも、いつの間にか好ましい車両へと印象が変わっていたという……。しかも考えてもみれば、京福福井が2度の事故により呆気なく営業放棄し、なかなかシブい京福福井カラーの電車がえち鉄カラーへと衣替えした今となっては、京福福井色を今に伝える貴重な存在となっているではありませんか!
しかし、そんなデオ700シリーズも新塗装への変更が進んでいるということで……これはまずい!と思い、抜けるような秋晴れの下、デオ700旧塗装の記録に励んだのでした。まだこの塗装は現存すると記憶していますが、ホントに放っておくといつの間にか激減→消滅してしまいそうですので、まさに記録は思い立ったが吉日……ですね (^^;;