地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

京福福井3001形・解体待ちの姿

2008-11-17 00:04:41 | 地方民鉄 (中京北陸)


 今は叡電デオ700シリーズで僅かに見られるのみとなった京福カラーつながりで、京福福井の廃線後えちぜん鉄道に引き継がれることなく消えた、元南海1001形改めモハ3001形をアップしてみることにしましょう。
 個人的に京福福井という路線は、走っている車両が如何にも地方私鉄という雰囲気満点だったために結構好きでして、とりわけ日車標準車体に近い雰囲気のバス窓車・モハ241&251形などは、大のお気に入りでありました。また、南海1201形を譲り受けた2001形は、当時南海では既に消えていた一段窓車もあり、これまた興味津々。さらに、小田急モハ1形から相鉄1000形を経て最後の活躍をしていた271形、元東急3300形の281形など、まさに宝の山! そこで、中学時代にRP誌の中京・北陸ローカル私鉄特集をむさぼり読みながら、「受験勉強が終わって高校に入ったら絶対京福福井に行くのだ!」と気炎を上げていたものの……2001形はあれよあれよという間に、全車が元阪神車体の2101形に更新され、京福福井オリジナルの1001形も同じく元阪神車体の1101形となり、271・281形は2201形と入れ替わりで廃車……。今でこそ、「京福→えち鉄2101形万歳! 昭和の阪神車万歳!」と思っている私ですが (爆)、半鋼製釣掛式電車ヲタだった10代の当時は相当へこみました……(^^;)。
 結局京福福井は241&251形目当てで訪れたのですが、案の定2101形の天下になっていてガックリ (ま、もちろん写真は撮ってますけど^^;;;)。そんな中、計4編成存在する転クロの白眉・3001形は、カルダン駆動であるとはいえ古風な湘南顔&細かい窓の組み合わせが素晴らしく、まさにしびれまくり……(*^^*)。



 そんな京福3001形、約10年の非鉄ブランクを経て撮り鉄に復活してからは「いつか必ず再訪しよう」と思っていたのですが、実際に腰を上げることなくウダウダしている間に、周知の通り二度の大事故によって京福福井に運行停止命令が下り、そのまま事実上路線放棄……。
 えち鉄が、こうして事実上打ち捨てられた京福福井の路線と車両を見事に再生させ、目にも鮮やかな新塗装とともに走り始めたのは、全く以て「万歳!」の一言に尽きます。10年の撮り鉄ブランクを経て「釣掛だったらもうどんな車体でも良い!」という発想に転換していた私も、喜び勇んで開業直後のえち鉄に乗りに行ったものです。ただ、同時に寂しい光景にも遭遇……。ブレーキロッドの破断という大事故を起こし、かつ車体が老朽化していた241・251形が、えち鉄に引き継がれず福井口で解体されたのは当然やむを得ないとしても、転クロ装備の女王・3001形は一応継承されたにもかかわらず (確か)、結局えち鉄塗装に衣替えして営業運転することなく、東古市改め永平寺口に集められて廃車となってしまったのは、何とも無念です……ン。えち鉄としては、2両固定編成を朝のラッシュ時用として残しておくとすれば、自ずと収容力が高い2101形を取った、ということなのでしょう。
 というわけで、永平寺口までの部分開通で2101形がのんびりと佇む雰囲気を楽しみつつも、一方で廃線となった永平寺線のレールの上に並べられた3001形を眺めながら、京福福井という一大 (?) 地方私鉄がこうして消え、忘れられて行くのだなぁ……という感傷に耽ったのでした。(上の画像は車両の周囲にある鉄条網をレタッチで消しております)

 さて、京福福井は如何にも地方私鉄っぽい車両を大量に有していたわけですが、既にえち鉄が全くゼロからの別会社として存在しており、京福電鉄&京福バスとしても、かつての京福福井の路線と車両について最早関知していないと思われる以上、京福福井の車両が鉄コレの一環としてリリースされることはないんだろうなぁ……と。南海21001形と並んで京福3001が出たというわけでもなかったですし……。あぁ残念! いずれもし鉄コレとして南海1201形が出れば、水間501形と並んで当然京福福井2001形も外せないだろう……と思うのですが、自分で塗装変更しろ、ということになりそうですね (汗)。