観光シーズンの休日ともなれば観光客を寿司詰め状態で満載し、乗ること自体が鎌倉・江ノ島観光の目的の一つとなっているかの観がある江ノ電。しかし、かつてはクルマの荒波に押されて廃止となる可能性もあったとかで、私が幼い頃の車両ラインナップも更新のコの字もなかった旧型車がひしめき、「最新鋭」のはずの500形ですら薄汚れた雰囲気が漂っていたものです。そんな、どこかうらぶれた観が漂っていた江ノ電に、およそ言語に絶する革命的な出来事が起こり、今日の一大人気観光路線の礎が築かれた……と言えば、やはり今から約30年前、1979年末の1000形登場を措いて他にはないのでしょう。それが如何にセンセーショナルな出来事であったかは、中小私鉄の小型鈍足車両として初めてブルーリボン賞を受賞したことからも分かろうというものですが、当時小学生だった私も腰が抜けそうなほど驚いたのを思い出します (^^;)。
以来月日は流れ……同時代に製造された他の私鉄車両が次々と廃車される昨今ですが、江ノ電1000形は未だに新車としか思えない雰囲気をビンビンに漂わせて海沿いを快走(?)しています。そこで、当時の基本デザインが如何に優れたものであったかを改めて思い知らされると同時に、塩害に晒される過酷な条件でも完璧な保守を続ける極楽寺技術陣の水準の高さを示していると言えましょう。
そして個人的にも……半鋼製車党であった80年代は、1000系列が来ると「えぇ~?つまんね」とこぼしていたものですが、今や1500形を除けば釣掛であることに超メロメロ (笑)。このデザイン自体も305Fに次いで江ノ電の象徴そのものと感じられるようになりまして、登場30年を経て一層の活躍に期待しているところです。
そんな江ノ電1000形、登場30周年に合わせるかのようにいろいろな変化が現れているようですので、先月と今月ぶらりと訪れまして、いろいろなアングルで激写してみました。自宅からはすぐに行ける距離であるにもかかわらず、こんなに真面目に撮影したのは約1年半ぶりだという……(いかんなぁ ^^;)。
というわけでまずご紹介しますのは……嵐電モボ611以降の車両と近似の塗装をまとった1502F「嵐電号」! 周知の通り、先日江ノ電と嵐電は古都の併用軌道を走る小型電車つながりで姉妹関係を結び、今後お互いの魅力を宣伝して行くことになりましたが、そこで江ノ電側に登場したのがこの編成。緑+ベージュツートンという塗装は、既にある江ノ電標準塗装と近似であることから、個人的には全く違和感がない……と申しますか「マジで似合い過ぎ!」と思っているのですが(笑)、強いて言えば正面窓まわりの緑囲みはイマイチ不要かなぁ~という気がしております。何と申しますか……緑色の極太Hゴムのようにも見え、何やら少々不気味ですので……(どうせそう思っているのは私だけでしょうね~。スミマセン ^^;)。むしろ、モボ101・301に合わせて窓周りはベージュのみ、という感じにして頂ければ最高だったのですが、嵐電塗装を近場で見られるだけでも御の字ですので、贅沢な注文かも知れません (^^;)。あとは、いずれHMが外されるシーンに期待!ですね~。
そして、嵐電の「江ノ電号」を早めに撮りたいものです。個人的には「江ノ電号」の方が、モボ631の車体デザインにドンピシャで、最高に決まっているなぁと思いますので……(^^)。が、とりあえず年内は京都出張の予定なし (苦笑)。
ちなみに、2枚目はお馴染みの腰越~龍口寺門前間併用軌道での撮影。「嵐電号」ですので、併用軌道シーンは記録として欠かせないと思った次第ですが、いつ来てもここはクルマや歩行者がカブらないかヒヤヒヤしますね……(@_@)。