地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ジャカルタ炎鉄録 (30) 東急8611F

2009-11-17 09:09:00 | インドネシアの鉄道


 東急8500系の中でも、8611Fは8608Fと同じく割と早い時期にジャカルタ・デヴューを飾ったため、帯色の試験の一環として何と……半蔵門線よりもひときわ彩度が高いパープルの濃淡という、日本人的感覚ではなかなか思いつかないカラーリングを纏ってデヴューし、その姿は今でもKCJ=ジャボデタベック鉄道 (※注) 公式HPで目にすることが出来ます。まぁ考えてもみれば、ド派手目な紫色というのは熱帯ではお馴染みなブーゲンビレアや蘭の花の色をストレートに想い出させるわけでして、恐らく現地の人々にとっては親しみやすい色なのでしょう。そして実際に紫帯の8611Fの画像を各所で目にしていますと……これが確かに周囲の風景にマッチして似合っているという……。所変われば品変わり、文化が変われば色彩感覚も変わることをこれほどはっきりと思い知らされる事例もそう多くはないでしょう(んなこたぁないか ^^;)。
 しかし、そんな8611Fもジャカルタ・デヴューから3年が経ち……あららら、冷房車の標準帯色に決まったかの感がある黄+グリーン(8608Fの帯色をちょうど反転させたようなタイプ)に変更されてしまいました。そのピカピカ度合いを見ると、検査はまさについ最近のことであるように思われ……う~ん、タッチの差で紫帯を拝むことは叶わなかったか……と (-_-;)。

 

 もっとも、正面で黄色を強調したカラーリングは、黄帯編成の8604Fとは違った意味で強烈なものがあり、これはこれでいとをかし……(*^^*)。というわけで、勿論やって来れば完璧を期して激写したことは言うまでもありません (笑)。とくに1枚目のカットは……ボゴール発の急行「パクアン」として延々と続く勾配を駆け下り続ける8611Fが、土煙をモウモウと吹き上げながら時速100km/h以上で爆走するシーン! 余りにも過激な迫力に思わず圧倒されそうになりましたが……無事撮り終えてガッツポーズ! (^O^)v 周囲でぼちぼち夕涼みを始めていた住民の皆様からみれば、さぞかし怪しいオラン・ジュパンに見えたことでしょう……(^^;)。いっぽう2枚目のカットは……何故かデハ8511のパンタが畳まれた状態……。故障なのでしょうが、フツーに走っているということは多分大丈夫なのでしょう (汗)。
 そんな8611Fは8608Fと同様ボゴール電車区に所属し、主に急行「パクアン」に用いられているようですので(3ヶ月経った現在では分かりません ^^;)、検査明けということもあり良好な状態を保ちながら活躍を続けてくれることでしょう。だからこそなおさら8610Fの状態が心配……(汗)。
 
 ※インドネシアの鉄道の経営形態は、まぁどうせ他の多くの国と同じく国鉄なのだろう……と長らく思っていたのですが、厳密には国が株を所有する会社形態をとっているようですので、基本的にはインドネシア鉄道と呼ぶのが無難なようです。このうちジャカルタ首都圏の電車を運行するジャボタベック事業部が分社化されて「インドネシア鉄道ジャボデタベック通勤鉄道 (Kereta Api Indonesia Commuter JABODETABEK」を名乗っていることから、ふつう呼ぶ際には単にジャボデタベック鉄道と呼ぶのが妥当なのだろうなぁ~と思っている次第です。