地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ジャカルタ炎鉄録 (27) 東急8607F

2009-11-08 11:35:00 | インドネシアの鉄道


 夏を挟んでしばらく車両の動きが止まっていたかの観があったジャカルタの電車事情ですが、ネット上をウロウロしていたところ……ここに来て2つの大きな動きが! その一つは東京メトロ7000系の譲渡契約正式締結(ジャボデタベック鉄道公式HP) であり、もう一つは抵抗制御車の全面リニューアル!(リンク頂いております「Asian Railway Plaza」さんにも画像あり) 前者は果たしてVVVF車と電機子チョッパ車のどちらが行くのか気になるところですが、蓋を開けてみてのお楽しみでしょうか。一方後者は……何とも間抜けな「のび太」顔ですが (^^;)、これだけ手をかけて切妻を流線型にしたということは、早期の非冷房車全廃計画を諦め、引き続き非冷房車も低所得利用者に配慮して(そして不景気のため思ったほど日本製中古車の出物がないため?)使い続けるという方針のあらわれなのでしょう。
 まぁいずれにしてもジャカルタの電車事情は、過激に進む輸送人員増に対して大幅に車両不足であることに変わりはなく、冷房車の最大の主力である東急8000系列にはますます期待が集まっているのでしょう。そんな、少しずつ現地化の度合い(破損を含む ^^;) が進みつつある東急8000系列にあって、日本時代の表示が今でも残っている車両を見かけると嬉しさもひとしお。とくに、それが幕であるならばなおさら……(*^^*)。
 というわけで撮影初日、田園都市線時代も残り少ない幕車として活躍していた8607Fが「急行・あざみ野」を表示してやって来た瞬間、感動の余り「うををっ!」と思わず小声でつぶやいてしまいました (^^;)。文教地区にある踏切で、若いエリート学生さんが盛んに行き交う中、ハッキリ言って怪しいオラン・ジュパン(日本人) が約1名……(爆)。但し「あざみ野」幕が半分以上ズレているのは残念! (^^;



 そんな8607F、ジャカルタ・コタ側の行先幕は「EKONOMI AC / JAKARTA KOTA-BOGOR」となっていましたが、これはこれで大変分かりやすい一品ですので、個人的には結構気に入っております。と申しますか……幕やLEDが本来あるべきかたちで活用されているのは、考えてもみれば列車種別と両端の駅名が一同に表示されたこの1両のみ (汗)。他の車両は日本時代の表示を出したり、ボゴール行であるのに最後尾はジャカルタ・コタ行のままだったり……(先頭車が正しい行き先を表示していれば良し、というユルい発想?)。
 いっぽう、この編成を撮っていて何が儲けものだったかと申しますと……準急幕!! (^O^) 何ともお恥ずかしいことに、田園都市線の朝方ラッシュアワーに連日張り付いて東武非乗り入れ幕車の準急幕を狙うという努力をこれまでして来なかったもので (^^;)、思わぬところで準急幕撮影を楽しみまくったのでした♪ なお、「準急」を表示していますが、あくまでエコノミーAC運用ですので、急行しか止まらないガンビール駅は通過! 目の前を力行しながら通過して行く8607Fの姿に、頭の中はちょっとしたパニックです(笑)。
 ともあれ、8607Fは2009年夏の時点でボゴール電車区所属車の主力として用いられており、検査時を除いて常に終日運用に入るという大活躍ぶりでありました。
 とくに、8607Fが昼下がりのボゴール駅にて折り返し待ちをしていた光景は、今回の訪問でも忘れられないひとこま……。連続撮影と余りの暑さで腹が減った私は、駅舎の車庫寄り位置にある構内営業の軽食屋に入り、ミー・アヤム(鶏そば) とジュースを注文して一息ついたのですが(この店のミー・アヤムはジャカルタの軽食としては美味い部類に入ると思います……^_^)、店は直接ホームに向かって開けたロケーションにありますので、ちょっとエスニックな味の麺やトロピカルな果汁をすすりながら、オドロキの側面表示を出している8607Fを眺めるという……日本では絶対に不可能な最高の贅沢を味わったのでした……(*^O^*)。


今や神保町で乗り降り、または通過するごとに、ボゴール駅でこの幕を眺めた感動を熱く思い出します……(*^_^*)。