馴染みの顔が消えて行く路線があれば、丁寧な更新を受けて生き残ってゆく路線もあり。例えば西武新宿線は後者の代表的な事例ではないかと思うのは私だけでしょうか? 新宿線のヌシといえる田の字窓2000系は、西武の他の同時代車両と比べて少々異質な雰囲気の (?) 中央貫通扉が何とも凛々しく、しかも走行音やコンプレッサー音はまるで東急8000系列を彷彿させるものがありますので (たしか西武所沢工場製であるはずですが、何故かくも東急を思い出させるのでしょう……)、西武沿線にはこれまでなかなか馴染みがなかった東急ファンのはしくれとしましても、乗って撮って付き合うごとにじわじわと思い入れが強まらずにはいられません。そんな2000系は登場から30年以上の年月を経ているにもかかわらず、田無事故で廃車が発生したのを除けば全車現役、しかも更新工事を受けてますます元気……ということで、昭和の顔が失われて行くのを嘆くばかりの他路線民としましても、2000系が走る西武新宿線の存在は俄然輝きを増しているように思われます。
もっとも、延命のために少しずつ手が加えられ、原形から離れて行くのは致し方ないところでしょう。とくに幕からLEDへの改造は、とりわけ目立つチャームポイントであるだけに、幕派としては些かの寂しさを覚えます。そこで、西武新宿線沿線での用務が週1で続いた今年度上半期のあいだに何とか新宿口で幕車の活躍をとらえたいと思い、去る5月上旬に撮り鉄したことにつきましては既に記事にした通りですが、このときは幕車は来なかった……(苦笑)。
そこで、西武新宿線沿線での用務が早めに終了した去る夏至の夕方、斜光線が依然としてギラギラと照りつける中をヒーヒー言いながら歩いて新目白通り沿いへ。身体にとって過酷な条件は、そのぶん撮り鉄する際には有利な条件でもある……ということでじっと我慢のうえ、何とか幕車2000系の勇姿をゲット出来ないものかと待ち構えたところ、何と!急行・本川越行でやって来てくれました♪(^O^)♪ 田の字窓2000系は、山手線の車内から見かけるにつけ普通列車用という印象が強かったため (^^;)、これは何とも嬉しすぎる誤算です!! もう1カットは普通・新所沢行。無難すぎると言えば無難すぎるかも知れず、影も少々ウルサイですが、何はともあれこうして幕車を撮影出来るだけでも有難いことです。