
想いは、引き継がれる。……このようなキャッチフレーズとともに大々的に喧伝されてきた小田急5000・10000・20000形の引退劇。伝統の小田急顔に、野心的なハイデッカー構造の流麗な連接特急車、そして小田急史上最初で最後 (?) の二階建てスーパーシート組み込み特急車と、まさに小田急の歴史とバブルの遺産を雄弁に物語る3車種が同時に消えるということで、多少人が殺到することを覚悟してでも小田急の各種記念行事に賭ける気合いは半端ではないものがあったように思われます。そして昨日と今日の2日間、一連の記念行事を締めくくる一大祭典として、海老名検車区にて3車種が一同に会する大撮影&見学会が開催されました。一時は、周知の某不祥事により誰もがその開催を危ぶんだものですが、やはり沿線民やファンとしてはこのような余りにも歴史的なひとときが消えてしまうのは忍びないものがあるわけで、とくに私などは「5000形正面のブランドマーク除去+運転席直後の引退記念ステッカー貼付」姿に遭遇しておらず、最後海老名で一目その勇姿を拝むことによって、小田急沿線民を30年以上やっている中でのひとつの節目としたいと思っておりましたので、公式HPにて無事開催が告知されたことで一安心した次第です。

そこで本日は、昨日の会場内の模様をネット上のあちこちで確認した結果、なるべく早めに海老名に到着のうえ、人が会場内にあふれてしまう前にパパッと狙ったカットを記録するのが得策であろうと判断しまして、ベトナム旅行以来の連日の寝不足をこらえて (^^;) 朝7時に起床、朝8時過ぎに海老名駅構内の「箱根そば」で腹ごしらえのうえ (期間限定海鮮かき揚げ蕎麦がGood! ^_^)、8時25分過ぎに入場の列に並び始めたのでした。この時点では、限定鉄コレに群がる列よりも短いかな?と勝手に安堵していたのですが、9時過ぎ以降の列の延び方が半端ではなく……人が多すぎる場合に備えて張り巡らされた迷路のような案内バーの存在にも納得 (汗)。
そして開場直前……それまで強烈に照りつけていた春分明けの太陽光が雲に隠れ、いろいろな向きから車庫内の車両を撮影するのにお誂え向きのベスト・コンディション到来!! 開場とともに凄まじい人の奔流が動き始め (日本でなければ絶対に列が崩壊して大乱闘になるだろうなぁ……と思われるほど壮観でした)、じっとその流れに乗って前進し、いよいよ車両展示コーナーへ!! 個人的にはロマンスカーよりも圧倒的に5000形の方に思い入れがありますので、ロマンスカーにはとりあえず目もくれず (^^;)、江ノ島賎民にとってはとりわけ懐かしい湘南急行幕を表示した5063Fの最後の雄姿を激写しまくったのでした!! しかし間もなく、膨大な数の人が車両の周囲に溜まり始め……まともにそれなりの編成写真を撮影出来る僅かな時間は終了……。まぁ、あの壮絶な人出の中、とりあえずこんな感じで撮影出来ただけでも御の字と言うべきでしょうか。ロマンスカーも含めて一連の撮影を終えた後は、5053Fの車内に入り、小田急ではこれを最後に消える非バケットシートの座り心地と、そこから眺める「田の字窓のある車内景観」を最後に確認し、伝統の小田急顔・田の字窓車とのお別れとしたのでした……。
※車両手前に本来写っているタイガーロープはレタッチで消しております。