地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ジャカルタ炎鉄録 (3) スカブミ駅の入換

2012-08-18 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 ボゴールからスカブミまで、約70kmの道程を2時間かけてのんびり走る「ブミグリス」号の旅は、めくるめくジャワの田舎の風景と壮絶なエンジンの唸りのコラボレーションに加え、日中運行される列車を物珍しそうに眺める人々 (とくに、嬉しそうにはしゃぎまくる子供。笑) の表情が何とも印象的ですが、それは自ずと今後の恒常的な日中運行、そして本数増加への期待のあらわれであるのかも知れません。もっとも、ボゴール~スカブミ間はバスが頻発しており、車両も線路容量も限りがある鉄道には余り勝ち目がない……とも思えるのですが、ジャカルタ市内とスカブミ線沿線との往来を考えれば、ボゴール駅でサクッと切符を買い換えるだけで良く、ジャカルタ~ボゴール間の交通渋滞に巻き込まれることなしに移動できる以上、もし通しの運賃がバスと同程度、あるいはバスよりも安いとすれば、意外と鉄道にもそれなりの生き残りの余地があるのだろう……とぼんやり思わなくもありません。
 しかし現在、スカブミ線用として配置された車両は少なく、たしか7~8両ほどの車両を使い回しており、朝のスカブミ発・夕方のボゴール発の定期列車のために確実に4~6両を用意しなければなりませんので (日によって変動はあるようですが、とにかくボゴール発着時には相当混み合っています)、日中は自ずと検査・整備に充てる必要が生じます。そんな中での増発運転は綱渡りの色彩が強く、パクアン急行様のブログで告知された最新情報によりますと、案の定日中運転には運休日が設定されているとか (滝汗)。それを知らずに訪れてちゃんと動いていたという点は何ともラッキーだったのですが (^O^)、逆でしたら「やられた!」感が激しかったに違いないでしょう……。また、日中運転日が連続するとしても、同じ車両を毎日使い回すことは極力避けられているようで、ボゴール電車区から出て来る際には1~2両ほどが庫内に残留していた他、往路の列車がスカブミ駅に到着した際にも予備の車両が2両留置されていました。



 そして……そんな予備車の存在が何とも嬉しい展開につながりまくり! (*^^*) スカブミ駅に降り立った後、例によって (?) すぐには出場せず、ホームや線路であれやこれやと撮影していたところ、突如予備2両のエンジンも起動! 「これはひょっとして……ボゴールから到着した4連に併結されて帰りは6連か? それとも4連のうち一部と車両交換か?」と思いワクワクしていたところ、果たせるかな、予備の2両がそろりそろりと動き始め、バンドゥン側へと移動して行きました (前回アップ分2枚目の右の車両)。その後、ボゴールから来た編成のうちスカブミ方2両が発車! (今回アップ分の1枚目) さらに後者は前者の位置へ、前者は後者の位置へと移動することで、一連の車両交換は終了となりましたが、いや~真っ昼間のスカブミ駅に列車で到達するというだけでも貴重な機会だというのに、バンドゥン側の線路を使った入換風景まで激写出来てしまうとは……本当に運が良すぎます (^-^)v
 それにしても、未だ自然災害による運休が続いているというスカブミ~チアンジュール間が復活し、ここスカブミからさらにグデ山の南麓をめぐってバンドゥンに到達できる日が来るのだろうか……という点は大いに気になるところです。風景は非常に素晴らしいといわれるのですが、とにかくバンドゥンに行くにもクルマ・バスの方が便利であるため、恐らく前途は多難……? 線形が悪くスピードアップできないため、もし復活しても結局ローカル列車が朝夕に走るだけかも知れませんが……。それでも、バスターミナルでの乗換や渋滞と関係なく移動できる利点もあるわけで、大都市間移動よりも沿線とジャカルタ・バンドゥンとの往来に重点を置いた列車ができれば、そこそこの利用も見込めて趣味的にも面白いのでは?と思わなくもありません。まぁ何はともあれ、今回のレバラン臨時運転は、ある意味で今後のスカブミ線増発に向けた試金石となるでしょうから、鉄道当局及び地元政府による評価と今後の方針の如何に注目したいところです。日本人がここまでアツくなる問題ではないのは重々承知ですが、イヤ何しろジャカルタからの日帰りローカル線の旅としては絶品ですので……。