地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ヤンゴン熱鉄記 (25) ビールのラッピング

2015-08-31 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 今日で8月もおしまい。今月末の首都圏は何故か季節外れの涼しさとなりましたが、やはり今年の夏の印象は死ぬほど暑かった……というわけで、毎日飲むビールが殊のほか美味かった!という方も多いのではないでしょうか。
 ビールが美味い!といえば、鉄ヲタ活動に狂奔した (笑) あとの晩飯どき or シャワーを浴びた後もまた然り。とくにミャンマーの場合、英国植民地であったためかビールがなかなか濃厚でイケており、とりわけ最大手として存在感があるミャンマービールをグイッと一杯飲んだ瞬間、激烈にクソ暑い中での撮り鉄の苦労もすっ飛びます (笑……ちょっと安いダゴンビールも結構好きですけど)。
 そんなミャンマービール、基本的には軍政時代以来からの官僚利権のもとにあったからこそ圧倒的最大手だったわけですが、そこで胡座をかかずになかなか美味いのは、醸造技術的に確かなものがあるからなのでしょう。しかし、より品質向上とマーケティング拡大を目指す見地から、外国企業との業務提携や合弁の話もこれまで見え隠れしていたようです。ところが何と……先日『日経新聞』をつらつら眺めていたところ、キリンビールが50%以上の株を取得して傘下に置いたとは!!



 私は日本国内ではキリン派ですので、この一報に「うぉーっスゲー!」と思う一方、ミャンマービールの味そのものは完全にキリンラガーや一番搾りと同じになるのではなく、あくまで独自の濃さとキレを保って欲しいものです。そして、キリンの販売網を介して日本でもミャンマービールを気軽に購入できるようになればなぁ~と思います (一部のコンビニでタイのシンハビールが売っているように)。
 というわけで、そんなミャンマービールのラッピングを施した車両の画像をアップしてみます。急激な経済発展のさなかにあるミャンマーでは、昨年以後突如バスにせよ鉄道車両にせよラッピング車が増え始め、ラッピングの柄によっては写欲喪失という事態にもなるのですが (とくに、RBT800に施された超原色系なカップラーメンのラッピングはひどかった……-_-;)、ミャンマービールのラッピング (鉄道車両のラッピングでは一番多い) は、ラベルのイメージそのままに落ち着いた雰囲気で、これならまぁラッピング車としては悪くない印象です。
 しかしまぁ、環状線で活躍し多くの通勤客の眼に触れる機会があるキハ181にラッピングを貼るならともかく、リベットつきの旧型客車であるBDUEZ 10700形にまでラッピングを貼るとは……。キハ181の場合、屋形船ラッピングが窓にはみ出してもそのままとなっていますが、長距離客レの場合は窓の代わりに鎧戸が嵌まっており、その上にラッピングを貼るわけには行かないことから、屋形船のデザインが間抜けな状態になっているのはトホホですね……(笑)。
 なお、ミャンマーでは「酒」を銘打った広告は禁止されているようですので、このラッピングはただ単に「Myanmar」とのみ記されています。何も分からない人がこのラッピングだけを見れば、「ミャンマー国鉄新塗装か?」と誤解するのかも知れません。しかし、このカラーリングはミャンマービールの広告であることは、現地民であれば誰でも知っている話。というわけで、国家イメージとビールの宣伝が絶妙にリンクしているラッピングと言えそうです。