三岐鉄道の東藤原駅からJR富田を経て、DD51に牽引されて四日市港界隈まで入線するセメントタキ列車は、日本国内ではもう本当に数少なくなってしまったセメント鉄道輸送のひとつですが、このDD51からタキを受け継いでセメント貯蔵基地まで連れて行く45トンスイッチャーの存在も、今や非常に貴重なもののひとつだと言えるでしょう! しかも、両者の受け継ぎ光景がなかなか絶妙……。DD51牽引の積車が可動橋をゆっくりと渡ってくる頃、貯蔵基地からも空車を連ねてスイッチャーが姿を現します。ところが、可動橋を渡ってすぐそばの位置にある港内の受渡線は僅か2線しかありませんので、2本の列車が同じ方向から入線して肩を並べれば、全く機回しが出来ません。そこで、一体どうするのか……と固唾を飲んで見守っていたところ、
(1) 先にDD51牽引の積車が受渡線へ。DD51が機回しを行い、可動橋側に一旦待避。
(2) スイッチャー牽引の空車が受渡線入り。空車にDD51が連結され、すぐに発車。
(3) その後スイッチャーが機回しを行い、積車に連結し発車。
……という順序で、てきぱきと受け渡しが終了! ネット上で四日市港の地図をご覧頂いて、↑の手順と照らし合わせて頂ければ、それが実によく練られた技だということがお分かり頂けると思います (*^^*)。
こうして東藤原から来たセメントタキは岸壁の貯蔵基地へと到着し、積み荷のセメント粉を一気にガーッと下ろして行きます。まずスイッチャーが岸壁スレスレの位置で切り離されて機回しを行った後、合計15〜16車ほどの編成を2分割し、分割したそれぞれの編成を1車ずつずらすように奥へと押し込んで行きます。1車分押し込んで荷役を行っているあいだに、スイッチャーはもう一方の編成の最後尾に移動して1車分押し込み……という作業を繰り返しますので、タキの数だけスイッチャーは行ったり来たり! その余りにも絶妙な作業ぶりは見ていて全く飽きません (^_^)。
そして、ここのスイッチャーがこれまた役者揃い! 生え抜きのOD451は、形式名が合併前の小○田セメントにちなんでいることが一目瞭然です。そして、いかにも産業用スイッチャー然としたゴツい風貌に、貨車っぽいスタイルの台車の組み合わせが珍品らしさを漂わせています (^^)。
ただ、ホンネを言えば、太○洋セメントオリジナルの白ベース塗装をまとったDD452 (かなりんDD55をさらに短くしたようなセミセンターキャブ機) や、名古屋臨海から譲り受けたNDD552 19が動いているところを見てみたかったですね〜。まあ、また挑戦すれば良いだけのことですが……今度はまた久し振りに出発点の東藤原にも行ってみたいな〜と思っているところです (4〜5年前に行ったきりですので ^^;)。