地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

伊勢湾周辺鉄参り (6) セメントの聖地

2007-02-17 14:57:00 | 貨物列車 (四日市)


 三岐鉄道の東藤原駅からJR富田を経て、DD51に牽引されて四日市港界隈まで入線するセメントタキ列車は、日本国内ではもう本当に数少なくなってしまったセメント鉄道輸送のひとつですが、このDD51からタキを受け継いでセメント貯蔵基地まで連れて行く45トンスイッチャーの存在も、今や非常に貴重なもののひとつだと言えるでしょう! しかも、両者の受け継ぎ光景がなかなか絶妙……。DD51牽引の積車が可動橋をゆっくりと渡ってくる頃、貯蔵基地からも空車を連ねてスイッチャーが姿を現します。ところが、可動橋を渡ってすぐそばの位置にある港内の受渡線は僅か2線しかありませんので、2本の列車が同じ方向から入線して肩を並べれば、全く機回しが出来ません。そこで、一体どうするのか……と固唾を飲んで見守っていたところ、
 (1) 先にDD51牽引の積車が受渡線へ。DD51が機回しを行い、可動橋側に一旦待避。
 (2) スイッチャー牽引の空車が受渡線入り。空車にDD51が連結され、すぐに発車。
 (3) その後スイッチャーが機回しを行い、積車に連結し発車。
……という順序で、てきぱきと受け渡しが終了! ネット上で四日市港の地図をご覧頂いて、↑の手順と照らし合わせて頂ければ、それが実によく練られた技だということがお分かり頂けると思います (*^^*)。



 こうして東藤原から来たセメントタキは岸壁の貯蔵基地へと到着し、積み荷のセメント粉を一気にガーッと下ろして行きます。まずスイッチャーが岸壁スレスレの位置で切り離されて機回しを行った後、合計15〜16車ほどの編成を2分割し、分割したそれぞれの編成を1車ずつずらすように奥へと押し込んで行きます。1車分押し込んで荷役を行っているあいだに、スイッチャーはもう一方の編成の最後尾に移動して1車分押し込み……という作業を繰り返しますので、タキの数だけスイッチャーは行ったり来たり! その余りにも絶妙な作業ぶりは見ていて全く飽きません (^_^)。
 そして、ここのスイッチャーがこれまた役者揃い! 生え抜きのOD451は、形式名が合併前の小○田セメントにちなんでいることが一目瞭然です。そして、いかにも産業用スイッチャー然としたゴツい風貌に、貨車っぽいスタイルの台車の組み合わせが珍品らしさを漂わせています (^^)。
 ただ、ホンネを言えば、太○洋セメントオリジナルの白ベース塗装をまとったDD452 (かなりんDD55をさらに短くしたようなセミセンターキャブ機) や、名古屋臨海から譲り受けたNDD552 19が動いているところを見てみたかったですね〜。まあ、また挑戦すれば良いだけのことですが……今度はまた久し振りに出発点の東藤原にも行ってみたいな〜と思っているところです (4〜5年前に行ったきりですので ^^;)。

京急・黄色いデトが行く (2) 復路編

2007-02-16 00:10:20 | 事業用車両


 京急新町検車区に集う1000形フィーチャーしたついでに、ここを普段のねぐらとしている京急の裏方さん・デト11+12をアップしてみましょう。実は、デト11+12の旅・往路編を昨年7月にご紹介していますので、半年以上も放置してしまったというわけで……(汗)。↑の画像も、バックに桜の花が写っている通り、昨年春の撮影ですし (^^;
 それはさておき、割とまめにある運転日に新町→文庫→久里浜とめぐり歩いたデトは、少々の昼寝を経て再び文庫に入庫し、物品の積み下ろしをします。その直前、八景では数分停車して先発の快特などをやり過ごすのですが、「どうせ文庫まであと一駅だから、待避を終えたデトはチンタラと走るだろう」と油断していたのが運の尽き (笑)。強力な下回りをフルに活かして猛然と発車し、あっという間に東急車輌との分岐を通過して行き、思いっきり焦りながら撮影しました (^^;



 こうして各検車区をめぐって一日の仕事を終えたデトは、カラスの鳴く頃に (?) 新町に戻ってきます。ゆっくりと庫内に戻って行く姿を、駅前&車庫横断踏切から後追いしてみたのが↑のシーンです。なお、その直前には踏切の手前で小休止しますので、その間は撮影会状態を満喫できるでしょう! いろいろなアングルを一気に稼ぐとすれば、曇っている日がベストかも知れません。
 こんな感じで何とも濃ゆ〜い撮影を楽しめる京急のデト、たまには15+16 (最近荷台オンリーに改造されたと記憶していますが、形式名はデチのままでしたっけ ^^;) も撮影してみたいのですが、基本的に配給列車として使われるのは11+12であることから、検査などでもない限り代走はなさそうな……。個人的には、京急沿線に住んでいた小学校低学年の頃、線路端でたまに見かけて狂喜したデト1形と同様に、もと客室のスペースが極端に狭く、パンタを載せるために屋根が荷台部分にニュッと突き出た15+16の方がお好みなのですが……どちらにしてもレアな車両ですから、ゼイタクばかりも言っていられないですね (^^;;

大福岡の小さな鉄 (7) 香椎線のキハ47

2007-02-15 00:13:10 | 国鉄型車両


 非電化のローカル線を取り巻く状況は、日本全国の多くの場所でかなり大変なものがありますが、主要都市の近郊であるという条件を活かして結構な本数が運転され、それでいて駅や車両などの設備がファン好みでシブい……というウレシイ場所も探せば意外とあります。昨年福岡で出張撮り鉄した際、その代表例だなぁ〜と思ったのが、JR香椎線です。西鉄宮地岳線を訪れて和白駅で駅撮りをしていたところ、すぐ横をのんびりと行き交うシーンが気になって気になって……。
 特に、行き交う香椎線の列車がJRKの非電化都市近郊輸送のホープ・キハ200ではなく、未だにキハ47であることを知って「マジかよ!」と感動! (^^;) そこで、フラフラと吸い込まれるように西鉄和白~JR和白間の連絡通路&踏切 (これがまた超ワビサビ的空間! ^^) を歩き、ちょっとだけキハ47に乗ってみることにしました。↑のシーンは、その踏切から撮影した香椎行き。深い緑に包まれたヘロい線路&キハ47と、背後の新築マンションとの組み合わせが何ともミスマッチでたまりません! (*^^*)。



 和白からは西戸崎行きに乗車。その際、JR和白駅の跨線橋からの宮地岳線の俯瞰がなかなか良い感じだという発見もありました(その成果が、以前アップしました307Fの画像です。但し、ふつうに撮ると画面に入るデカい看板はレタッチで消す必要があります。→掲載時には消しました ^^;)。時間があれば終点まで乗ってみたかったのですが、今回は時間の関係で雁ノ巣にて下車し、西戸崎で折り返して来たキハ47が如何にも海沿いらしい松林の中から姿を現すところを撮影しました (^^)。う~ん、これだけ見ていますと、とてもこの周囲が住宅ひしめく福岡のベッドタウンだとは信じられない感じです (^^;)。
 その後、速攻で踏切を渡ってこの列車に乗り、和白→貝塚→天神というルートで用務先に向かいましたので、結局本当に申し訳程度のFirst Impressionという感じになってしまいましたが、中心街からそれほど時間をかけずして、いつでもキハ47が20~40分間隔で行き交うところを宮地岳線とセットで楽しめるとは……福岡というところは奥が深いものだ!というのが正直なところです (^^)。そして、札沼線や関鉄といった都市型非電化路線大好き人間である私のハートにストライク! (爆) キハ47が主力であるうちに是非また訪れてみたいものですが、出来れば和白駅の桜と組み合わせてみたいなぁと思っています。

さよなら鹿島鉄道 (1) 朝8時前の石岡駅

2007-02-14 22:00:24 | 地方民鉄 (関鉄系)


 戦前製キハ07の貴重な生き残りである日本現役最古DCや、典型的な湘南フェイスとバス窓の組み合わせが感動的なDCが生息し、しかも霞ヶ浦のほとりの風光明媚な沿線を走り抜けることでも知られていた鹿島鉄道。存続へのあらゆる努力も空しく、TXの開業により親会社・関鉄の高速バスがこうむった大打撃の影響をもろに受けるかたちで、来る3月末日をもって廃線となります (号泣)。
 私としても、これまで数回通ってその侘び寂びに満ちた雰囲気に心酔していたことから、廃止は本当に悲しい限り……。そこで、廃止になる前にせめて一度は訪れて名残を惜しもうと思ったのですが、同じことを考えている人が多いためでしょうか、最近は土日はもとより平日も相当の賑わいとなっているらしいことが判明。人混みが嫌いな私は行こうか行くまいか迷ったのですが、今春の激安18きっぷが使用開始となる前の平日であればまだましなのではないかと思いまして、平日休みを利用して石岡駅に降り立ちました。



 鹿島鉄道の平日朝の名物といえば、高校生輸送を行う11レ (石岡8:07発) の2両編成。主力のキハ600に加え、夕張鉄道から入線したキハ714が連結されることで知られていました。しかし……それは受験シーズン入りにともなう高校生利用の減少により、毎朝の2連は今や永遠に過去のものに……(T_T)。それでも、それなりに乗客が多く、車掌が乗務するということで、キハ714が相変わらず1日1往復の役目を果たしています。まぁ客が多いと言っても、高校生とわずかな地元客、それに平日でも10名ほど乗っていた「鉄」を足しても座席定員に余裕がありましたので、そのこと自体が定期券利用客の減少を感じさせました……。
 それはさておき、単行運転に伴う隠れた (?) 儀式が見られたことだけは、早起きして来た甲斐があった……と思うひとときでした。2連の11レを仕立てるには、鉾田から戻ってきたキハ600にキハ714を連結する作業があるだけでしたが (記憶違いでしたらすみません ^^;)、単行運転ではキハ600を引っ込めてキハ714を出庫させる作業がありますので、この両者が昼前まで寝ているキハ430と一瞬だけ並ぶという感動的な光景が展開していました (*^^*)。
 なお、廃止をついに1ヶ月半後に控えて、どの車両にもさよならHMが装着され始めています。先週はなかったそうですので、恐らく今週に入っての装着と思われます。訪れる前までは、あくまでふだんの姿を目に焼き付けて名残を惜しむつもりだったのですが、HMを目にするとやはりこれが現実か……と思わずにはいられませんでした。

京急1000形、新町検車区に集う

2007-02-12 16:00:00 | 大手民鉄 (京急)


 最近、消え行く京成3295Fや今や貴重な3500形を相次いで扱いましたので、友情出演として京急1000形の日常風景をアップしてみましょう! 京急1000形自体は、私にとって昔なじみの非常に思い入れのある車両のひとつであり、今でもたまに沿線で用があるときなど利用しているのですが……まだまだ普通車として割とまめにやって来ることから、記録に関してはやや油断しており、意外と撮りこぼしているシーンが多かったりします。まあ、京急自体がかなり長い路線であり、ありとあらゆる撮影スポットでの走行シーンを押さえておこうとすると、それこそ労力がいくらあっても足りなくなってしまいます……(こうして後悔のデフレスパイラルに?? ^^;)。
 そんな中、割と短時間でけっこういろいろな1000形の表情を押さえることが出来る場所としてお気に入りなのが、普通車の出入庫スポット・神奈川新町駅と、すぐそばに隣接する新町検車区です (^^)。上りホームからは、待避線使用列車の動きに細心の注意を払いさえすれば、出入庫線に停車している編成を正面がちにうまくとらえることが出来ますし、子安方から入庫する編成をきれいにまとめることも出来ます。そして何よりも愉快痛快なのは……駅前西口に検車区を横切る踏切があり、まさに車庫での撮影会さながらに撮り放題なことです! 特に、踏切の目の前で停車しているところを下から仰ぐように撮影したり、奥の検修庫をバックにゆっくりと出庫するシーンをじっくりと連写したり……。踏切からは決して外に出ず、警報機が鳴ったらただちに待避することは当然ですが、それさえきっちりと守れば365日・24時間庫内撮影を堪能できることでしょう……(*^^*)。
 ただ、ここも最近は新1000形の数が増えていますので、訪れても必ずこんな感じで1000形がゴロゴロしているとは限りません。悪しからず……。運次第で、1000形が出払っている状態に出くわすこともしばしばですし、今後はますますそうなって行くのでしょう (-_-)。ひとつの時代を記録できる時間はそう残されていないのは、京急も同じだということで……。