地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

スカブミ線が気動車だった頃 (上)

2018-10-18 08:08:00 | インドネシアの鉄道


 最近、ジャカルタ郊外の山岳路線・スカブミ線が熱い (偏見)。
 いつもお世話になっておりますパクアン急行様のブログを拝見しておりますと、インドネシア国産との鳴り物入りで製造されたもののごく少数にとどまり、運用にほとんど入らず引きこもり状態が続いていた赤罐CC300の用途として、スカブミ線の客レ「パンランゴ」「シリワンギ」(同じ列車ながらスカブミで列車名が変わり、ボゴール〜スカブミ間が前者、スカブミ〜チアンジュールが後者) に白羽の矢が立てられたようで、先日タナアバン機関区〜ボゴール線〜スカブミ線を直通する試運転が大勢のヲタを集めて実施されたとのこと。思えば、スカブミ線は多少の勾配が連続するとはいえ、せいぜい6〜7両の客車を牽引する程度なら非力な (?) 罐でも何とかなるでしょうし、余った超主力機CC206については、スカブミ線最大の稼ぎ頭であろうアクア (ミネラルウォーター) 貨物の増発にでも使えば良いことになります。



 そんなスカブミ線、風光明媚な山岳路線ではありながらも意外と沿線人口は多く、スカブミの盆地には恐らく甲府盆地よりも多くの人が住んでいるはず (パッと見ですが)。そう……実はスカブミ線には「インドネシアの中央東線」としてのポテンシャルが秘められているのです (超偏見)。しかし、確か8年前にボゴール〜スカブミ間の列車が再開されるまでは、基本的に休止線として放置されていました。その後、チアンジュールまで運行が再開され、バンドゥンまで直通まだか……と首を長くして待ち続けているのですが、一方のバンドゥン側・チアンジュール〜パダララン間は、橋脚の老朽化か何かで引き続き休止中……。きちんと軌道改良・輸送力増強に務め、とりわけボゴール〜スカブミ間は一日に3〜4往復とケチなことをせずフリークエンシーを確保すれば、確実に稼げるはずと思うにつけ、もどかしいものを感じておりました。
 しかし最近、どこかでチラ見したのが、スカブミ線の複線電化計画! もちろん、ジョコウィ政権再選戦略の一つでもあるのでしょうが、電化によってとにかく早くて便利になり乗客数もうなぎ登りなスルポン=バンテン線という実例があり、途中のド田舎度という点ではかつてのスルポンから先の区間も今のスカブミ線もそう大して変わりませんので、とりあえずスカブミまで複線電化が成ったのちは、ジャカルタ・コタからスカブミまで所要2時間半〜3時間程度で205系の旅を楽しめるのを期待したいものです。もっとも、トイレをどうするのか……ということを考えますと、やっぱりスルポン線のタナアバン〜ランカスビトゥン間、2時間弱が限界なのかも知れませんが。
 というわけで、そんなジャカルタ鉄道シーンのアツい未来を夢想しつつ、スカブミ線再開からチアンジュール延伸までの間活躍していた日本製KRD「ブミグリス号」の懐かしシーンをお楽しみ下さい。当時は基本的にボゴール電車区に常駐しながらも、週に確か2〜3度、正式な所属先であるタナアバン機関区での整備とタナアバン市場への買い出し客の便宜を図るのを兼ねて、ボゴール線内をノンストップで爆走していたものです。2011・12年の撮影ですが、当時はまだマンガライもボゴールも駅撮り・線路撮りしたい放題で、ヲタ活動するには本当に良い時代だったのを思い出します……。ジャカルタ訪問時には (否、東南アジア鉄活動時には)、如何なる列車も撮れるなら全て漏らさず撮れ!を鉄則としておりますが、数年後にHDをほじくり返して諸行無常を痛感するたびに、ますますそんな思いを強くするものです。

存廃不明……ベトナム・ハロン線客レ

2018-10-16 00:48:00 | ベトナムの鉄道


 最近ベトナム国鉄の公式HPにおいて、果たして運転されているのか否か不明になった、標準軌ハロン線の満鉄車両を含む客車列車。去る8月15日にアップした記事において、最新の事情募集……と何となく記してみたところ、いつもお世話になっております落花生。様が、ハノイを訪問された際に窓口にて聞き出して下さいました。窓口嬢曰く、ハロン線列車はまだ残っているとか……。
 しかし一方、去る9月に刊行された下川裕治『東南アジア全鉄道制覇の旅』インドネシア・マレーシア・ベトナム・カンボジア編(双葉文庫)を読んでおりますと、やはり窓口嬢からハロン線列車の現状を聞き出して「廃止」と言われた旨が載っております (80頁)。一体どっちやねん……??



 まぁそもそも、落花生。様にしても下川氏にしても、直接早朝のイェンビェン駅や昼下がりのハロン駅に特攻のうえナマで確認されているわけではないため、結局のところ未確認情報の域を超えるものではないように思います。存続に期待を込めつつも、やはりヤバいのかも知れませんが……ともかくも自分が直接早朝や夜中にイェンビェン駅にタクシーで乗り付けて調べてやろう、という奇特な方はいらっしゃらないでしょうか?
 というわけで、今から約6年半前にハロン線の満鉄客車を録りに行った際に撮影した未アップ画像を引っ張り出してみました。う〜、既に行商客の減少による減車という「前触れ」はありましたので、ついに満鉄客車の超老朽化に耐えかねて、列車ごと撤退してしまったということなのでしょうか……。あるいは、しばらく全列車を運休させて、一気にメーターゲージと標準軌の三線レール化を図ろうとしているのであればまぁまぁ良いですが……。


新京成の古狸・茶帯復活中の8512編成

2018-10-14 13:13:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 本日は鉄道記念日ですが、毎年そんな節目に痛感するのは、年を追うごとに二段窓の車両が減っていることでしょうか。
 そんな中、新京成8000形は代表的な車両として結構頑張っている……と思いきや、いつの間にかN800形に押されて、VVVF化された3編成しか残っていないようです。いつの間にか世代交代が進み、気がついてみたら、あるいは久しぶりに訪れてみたら全く顔ぶれが異なり、浦島太郎気分にさせられるという展開は、新京成も例外ではないようです。



 そこで新京成としても、8000形の消滅がそう遠い将来ではなくなった中、昨年に残り3本の8000形のうち1本 (8512編成) について、かつて長年親しまれた茶帯仕様としており、これは撮ってみたいものだと思っておりました。しかし新京成の車両は、ただでさえ蛇のようにくねる新京成線内を往復するのに時間がかかるところ、京成千葉線との直通が始まって以来、ますます特定編成を見かける確率が低下しています。というわけで、多忙の中ですっかり忘れてしまっていたのですが、昨日別件で新京成沿線を訪れたついでに、僅かな時間を確保して沿線の踏切でカメラを構えてみたところ……何と一発目で8512編成登場! (^O^) いや〜、たまにはこのような、宝くじ超大当たり級の巡り合わせもあるものですね……。
 それにしても、この古狸顔には茶色が似合いますね♪ 鋼製ボディ+二段窓+分散冷房の組み合わせも、涙が溢れるほど「昭和」です☆ なるべく長生きして欲しいと思う一方、ピンク白ツートン塗装となった8518編成もいずれ是非撮ってみたいものです。

京成3200・3300形が走っていた頃

2018-10-08 00:00:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 台風25号の余波ともいえる季節外れの酷暑も過ぎ去り、ようやく秋らしい気候となりそうですが、それにしても今年は自然災害が多かったですね……。関西を蹂躙した台風21号に驚く間もなく、関東も台風24号に襲われ、「雨は大したことないけど風は結構スゴいな」と思っていたら、海から吹き付けた塩水が大雨で流されずベッタリ付着したままとなり、時間差攻撃で京成などに大きなショート被害を出すとは……。これからの温暖化時代、海から多少離れていても塩害対策は必須になるのでしょうか?



 災害直後の京成といえば、震災の翌日に成田を出発する航空券を買っていたばっかりに、正午過ぎに運転を再開した京成〜北総に乗ったことがあり、日暮里から高砂まで自分史上最悪の超寿司詰めに耐えたものですが、京成に文句を言っても始まらず、むしろ千葉も被災地となったあの状況の中での運転再開には敬服せずにはいられなかったものです。しかし今回の塩害は、震災の時よりもはるかに長時間の運休を強いたということで、何時どのような場面に列車運行の妨げが潜んでいるか分からんな、ということを痛感しました。また、JRW・JREをはじめとして、計画運休という考え方も拡大・浸透し、安全運行・保安をめぐる観念も大きく変わったわけですが、そのようなことも平成最後の夏の印象として記憶され続けることでしょう。
 というわけで、最近京成を撮ってないなぁ、という自省ととともに、昔撮った画像をほじくり返しまして、京成3200・3300形の未アップ画像を貼っておきます。昭和高度成長期の鋼製車がますます、何だかんだで平和だった時代を物語っているように思えて来ますね……。

風前の灯火となった相鉄7000系

2018-10-05 00:47:00 | 大手民鉄 (相鉄)


 一昨日の相鉄大本営発表によりますと、2019年度末=2020年3月改正で開通する相鉄=JR連絡線用の新型車両は、大方の予想通りにE235系と同じサスティナボディの12000系となるとのことですが (性能はE233・11000系に合わせるようです)、正面デザイン・塗装・内装はいずれも東急直通用の20000系と近いイメージとなっています。その20000系も、このたび経産省のグッドデザイン賞を受賞したとのこと。相鉄沿線民は、9000系YNBリニューアル車や20000系の登場からそれなりに時間が経った今でも、あの不思議な輝きを放つ濃紺の車体が現れると「をを・・」と感動の溜息を漏らしますから (私の親など、横浜への往復でYNBに当たると大喜びで報告するほど。笑)、とりあえず相鉄のブランディング戦略は、沿線民に対しては大当たりしたのかも知れません。今後、12000系や20000系が実際に都心へと直通するようになったとき、相鉄のソの字も知らないようなパンピー都民の皆様がどう反応するか興味深いところです。都内では電車よりもビジホの方が相鉄の名をいち早く広めているようですので……(否、都民は相鉄系ホテルに泊まらないでしょうから、まずは地方からの客に知られつつあるということでしょうか。でもそういえば、ソウル明洞のあたりにもオープンしたのでしたっけ?→相鉄沿線民が相鉄系ホテルに泊まるチャンス)。



 そんな12000系も20000系も近い将来の大増備は明らかで、まず12000系は来年度6編成が揃うとのこと。すると、既に8連各停としてたまに細々と走っているのみとなった7000系は、ひとたまりもなく全滅することになるでしょう……(モヤ700を除く)。2100系や5100→5050系を含めて、一時代を演出した切妻アルミボディ+幕板と裾の細い赤帯というスタイルは、間もなく見納めとなります。分かりきっていたこととはいえ、子供の頃からこの車体と付き合い、苦く甘酸っぱい思い出もある身としては、寂しいものですね……。既にそれなりに撮り貯めていますので、とりあえずは見かけたら乗ることに徹したいと思いますが、もしさよならHMでも付こうものなら、沿線はパニック必至でしょうか……。相模大野でさよなら撮影会が開かれるのであれば、万難を排して訪れたいものです。
 画像は、天王町〜星川間の高架化工事が始まる前の04年と09年に撮影したものですが、ついに上下両方の高架化が完成のはこびとなり、昔ここが名撮影地であったことの片鱗もなくなったことこそ寂しけれ。

 それにしても、マイクロから近いうちに発売される相鉄9000系は、単にひと頃のマイクロと比べて大幅に値下げとなっているのが好ましいのみならず、YNBの色再現もなかなかうまく行っているようで (少なくともNGIさんの画像を拝見した限りでは) 期待が高まりますが、すると9000系鉄コレの立場は一体……。既に7000系はマイクロから出ており、新7000系がマイクロの空白区となっていますが、新7000系もこの先あっという間に消えることは確定ですから、その動きとからめてマイクロからN模型が出るのか否か、注目したいと思います。