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ミステリ感想-『ルー=ガルー』京極夏彦

2002年12月15日 | ミステリ感想
~あらすじ~
2030年代。清潔で、無機的な徹底した管理社会。
少女たちは携帯端末を持ち、全ての行動は把握されており、世界はモニタの中だけに存在していた。
ところが14~15歳の少女ばかり狙った連続殺人事件を契機に、彼女たちは仮想の世界から飛び出す。


~感想~
舞台となる未来社会の設定を読者から公募で求め、作品に仕上げたインタラクティブ小説。
なんという余分なことを……。(暴言)
疾走感ある文体はさすがも、終盤の武侠小説さながらの展開は、少々加速しすぎか。
結末と副題の結実が美しい。たかが30年後がかくも進歩し、かくも殺伐とするとは思えないが……。
京極作品らしい緻密さはうかがえない。欲を言えば(ネタバレ→)葉月がもうちょっと活躍しても良いのでは?
なにはともあれ、こんな題材でもこれだけ楽しませてくれるなら、文句は言うまい。(手遅れ)


02.12.15
評価:★★★☆ 7
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