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ミステリ感想-『透明人間』浦賀和宏

2003年11月01日 | ミステリ感想
~あらすじ~
孤独に絶望し、自殺未遂をくり返していた理美。
10年前に不可解な死を遂げた父の秘密は、自宅地下に隠されていた広大な研究所。
遺された実験データの探索中に起こる連続殺人。
閉じこめられた飯島と理美。亡き父の研究とは? 透明人間以外にこの犯行は可能なのか?
はたして安藤直樹のくだす解決とは。


~感想~
またまた変なものを書いてきたものだ。(褒め言葉)
安藤直樹の口から解決が語られ、そして……その後にやられました。
まさかこう来るとは。これだから浦賀和宏は面白い。
とはいえこの結末は、読む人を選ぶだろうか。とにかく驚かされます。

個人的な感想だが、安藤君の語る解決が某ミステリ大家の数作をなぞっているような気がしないでもない。
(見当のついた方だけ超ネタバレ→)島田荘司 作品も挙げるなら、雪だるまは『斜め屋敷の犯罪』 ザイルは『暗闇坂の人食いの木』 螺旋階段は『アトポス』 着想は同じだよな。
安藤君の解決にもっと説得力があれば(というか魅力があれば)もっと評価は高かった。


あと、初版だけで直っているかもしれないが、誤植の指摘でも。
P219上段1行目とP281下段4行目は明らかに食い違っている。なんらかの伏線かと思ったぞ。


評価:★★★☆ 7
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