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ミステリ感想-『麿の酩酊事件簿 花に舞』高田崇史

2003年11月09日 | ミステリ感想
~収録作品~
勧修寺家“婚姻家訓”「見合い厳禁。手助け無用。独力発掘。自力本願……」
勧修寺家の跡取り息子・文麿、31歳独身。
家訓にかなう素敵な女性を探すも、いつも最後のところで空回り。
酔えば酔うほど名推理を発揮し、悩める美女を救うが、彼の願いは遠ざかり……。

ショパンの調べに
待宵草は揺れて
夜明けのブルー・マンデーを
プール・バーで貴女と


~感想~
『ショパンの調べに』
専門知識の総動員も、ここまでやればまあ許容範囲。

『待宵草は揺れて』
専門知識の総動員。ただそれだけ。ひねりなし。

『夜明けのブルー・マンデーを』
専門知識(以下同文)。しかもこれはどう考えても西澤保彦の某長編(見当の付いた方だけネタバレ→)『実況中死』 のパクりのような。

『プール・バーで貴女と』
専(以下同文)特にあんまりだと思う。なんせ「(中略)なんていうことを知っていたのは、おそらく何人もいなかったでしょう」と文中で開き直っている。はいそのとおりです。


~総括~
解るかンなモン!と叫びたくなるようなトリックばっかし。描写はマンガ的というよりエセ台本。無理に面白おかしく書こうとしているのが悲しい。歯の浮くセリフにちんけなトリック。千波くんシリーズの軽妙さはどこへ行った。


03.11.9
評価:☆ 1
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