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ミステリ感想-『どこまでも殺されて』連城三紀彦

2006年07月19日 | ミステリ感想
~あらすじ~
「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる」
七度も殺され、今まさに八度めに殺されようとしているという謎の手記。
そして高校教師・横田のもとには、ある生徒から「僕は殺されようとしています。助けて下さい」というメッセージが届く。
生徒たちの協力を得て、横田は殺人の阻止と謎の解明に挑むが……。


~感想~
これはメタ系の仕掛けしかないだろうと思っていると、反転する構図に意表を突かれる。
それも意図しない形の反転で、こういうやり方もあったのかとしばし呆然。
「綺麗」「鮮やか」というわけではないが、その豪快なひっくり返しには度肝を抜かれるだろう。
最後も限定された条件下ながら、意外な結末でまとめ上げてくれる。
揺れる心理を暗く打ち沈んだ筆致で描き通した、梅雨にうってつけの作品でした。


06.7.19
評価:★★★ 6
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