~あらすじ~
詐欺を生業としている中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。
やがて同居人はさらに増え「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。
失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた計画とは。
~感想~
今年度1位確定。
全体を通してぬるめのコン・ゲームが描かれるが、ファンとしてはついつい「今回はなにを仕掛けているのか?」「今回もなにかを仕掛けているのか?」と二つの矛盾を抱えて、期待半分、不安半分で読み進めてしまう。
そして表の物語が決着したとき、期待をはるかに上回る裏の物語がこつ然と姿を現す。
その震えるような衝撃は、トリックと本格ミステリで人間を描ける新鋭――いやもう新鋭などという言葉は失礼にあたるだろう――道尾作品ならではのもの。
読み終え本を閉じたあと、ふとタイトルを思いだす。
真っ先に詐欺にかけられていたのは、他ならぬ読者の自分であった。
08.7.29
評価:★★★★★ 10
詐欺を生業としている中年二人組。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。
やがて同居人はさらに増え「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。
失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた計画とは。
~感想~
今年度1位確定。
全体を通してぬるめのコン・ゲームが描かれるが、ファンとしてはついつい「今回はなにを仕掛けているのか?」「今回もなにかを仕掛けているのか?」と二つの矛盾を抱えて、期待半分、不安半分で読み進めてしまう。
そして表の物語が決着したとき、期待をはるかに上回る裏の物語がこつ然と姿を現す。
その震えるような衝撃は、トリックと本格ミステリで人間を描ける新鋭――いやもう新鋭などという言葉は失礼にあたるだろう――道尾作品ならではのもの。
読み終え本を閉じたあと、ふとタイトルを思いだす。
真っ先に詐欺にかけられていたのは、他ならぬ読者の自分であった。
08.7.29
評価:★★★★★ 10