小金沢ライブラリー

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映画感想―『キサラギ』

2010年10月19日 | 映画感想

~あらすじ~
C級アイドル如月ミキの一周忌に、彼女の思い出を語り合おうと集まった5人のファン。
「彼女は自殺じゃない。殺されたんだ」一人の発言をきっかけに、彼らの思い出話は思いもよらない方向へと転がっていく……。


~感想~
これは傑作。
一室の中で5人が話しあうだけという舞台劇のような構成だが、考えぬかれた脚本によるどんでん返しが冴えに冴え渡り、観るものを離さない。
伏線の豊富さ・的確さや、二転三転するストーリーは本格ミステリとしても優秀で、5人の演技派に支えられ(小栗旬ってこんなに上手いんだ!)瑕疵が見当たらない。
裏に隠されていた真相は、実のところ予想の範疇に留まるのだが、その見せ方、隠し方が巧みで、「この5人がこの場に集まらなければ解けなかった謎」というひねった趣向が光る。
スタッフロール後の展開は、お約束とはいえ全くの蛇足ながら、110分間にだれる隙もなく、ちりばめられたユーモアも絶妙である。
映画ファンのみならずミステリファンも必見の逸品だろう。


評価:★★★★★ 10
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