~あらすじと収録作品~
ホテルで発見された"妻"の死体。だが"妻"はつい先刻、この家で私が殺したはずだった『二つの顔』。
謎めいた誘拐事件の真相を引退した刑事が先輩刑事に手記で語りかける『過去からの声』。
車椅子の少女が首を絞められた。だがその部屋には母も父も誰も入ることができなかった『化石の鍵』。
妻を尾行してくれというありきたりの依頼。しかし尾行に気づいた妻は、探偵に逆に意外な依頼をする『奇妙な依頼』。
妻の復讐のため私は彼らを殺さなければならない。ありふれたように見える復讐者の動機はかつてないものだった『夜よ鼠たちのために』。
妻と愛人の間を交互に行き交う男。彼らの間には複雑な因縁が絡まり合っていて…『二重生活』
~感想~
毎回同じことを書いているがそれでもやっぱり連城三紀彦はすごい!
たったこれだけの枚数の中に仕組まれた精緻なトリックと罠。特に驚いたのは『過去からの声』で、のちに『人間動物園』と『造花の蜜』という誘拐ミステリの傑作長編を二つも放っている氏が、それに先駆けてこんなとんでもない誘拐トリックを、しかも短編でものしていたとは。
その他の5編もいずれ劣らぬ傑作ぞろい。トリック、動機、ミスディレクション、どこかに必ず見たこともない顛倒した発想が潜んでいる。本格ファンはこれを見逃す手はない。
11.10.28
評価:★★★★☆ 9
ホテルで発見された"妻"の死体。だが"妻"はつい先刻、この家で私が殺したはずだった『二つの顔』。
謎めいた誘拐事件の真相を引退した刑事が先輩刑事に手記で語りかける『過去からの声』。
車椅子の少女が首を絞められた。だがその部屋には母も父も誰も入ることができなかった『化石の鍵』。
妻を尾行してくれというありきたりの依頼。しかし尾行に気づいた妻は、探偵に逆に意外な依頼をする『奇妙な依頼』。
妻の復讐のため私は彼らを殺さなければならない。ありふれたように見える復讐者の動機はかつてないものだった『夜よ鼠たちのために』。
妻と愛人の間を交互に行き交う男。彼らの間には複雑な因縁が絡まり合っていて…『二重生活』
~感想~
毎回同じことを書いているがそれでもやっぱり連城三紀彦はすごい!
たったこれだけの枚数の中に仕組まれた精緻なトリックと罠。特に驚いたのは『過去からの声』で、のちに『人間動物園』と『造花の蜜』という誘拐ミステリの傑作長編を二つも放っている氏が、それに先駆けてこんなとんでもない誘拐トリックを、しかも短編でものしていたとは。
その他の5編もいずれ劣らぬ傑作ぞろい。トリック、動機、ミスディレクション、どこかに必ず見たこともない顛倒した発想が潜んでいる。本格ファンはこれを見逃す手はない。
11.10.28
評価:★★★★☆ 9