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ミステリ感想-『ヒートアップ』中山七里

2015年06月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
服用した者を戦闘マシーンへと変貌させる悪魔の麻薬「ヒート」。
麻薬取締官の七尾は特異体質を武器にヒートを追うが、マークしていた重要人物が殺され、現場で見つかった凶器からは七尾の指紋が検出される。


~感想~
特に断りはないが「魔女は甦る」の続編で、前作のネタバレが容赦なくされるので要注意。
前作と同じく終盤に至ってジャンルが変わり、しかも前作よりもより激しく派手に、より人間離れしたタフネスっぷりが発揮されるのだが、最後の最後に元のミステリに帰ってきて、巧みなミスディレクションから死角に隠れていた真犯人が浮かび上がるのには驚かされた。
もっともその頃にはストーリー的にも読者的にも、冤罪事件の真相なんてどうでも良くなっているのは否めない。

いずれにしろアクション小説、バディ・ムービー、刑事物、そしてミステリと、幅広い読み方を受け入れる良作である。


15.6.5
評価:★★★ 6
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