~あらすじ~
肝臓移植しなければ死を待つだけの意識不明の患者に、移植手術の実績を上げたい医師はドナーとして利用するため死を宣告する。
だがそのライバルの医師は、患者の友人に肝臓移植の可能性を最後まで探ると告げる。そのさなかに当の患者が失踪を遂げ…「優先順位」
他4編を収録。
~感想~
冒頭の「優先順位」が長編を短編に圧縮したように、矢継ぎ早に事件が起こる濃厚な一作でその後に期待を抱かせたが、続く3編はそこまでの濃さはなく、またタイトルの「黙過」をなぞるように結末がなんとも煮え切らず、物足りなさを感じた。
しかしラストの「究極の選択」は思いも寄らない展開を見せ、同時に作品全体の評価が一変する。
もっとも、最後の最後に姿を現すとある事実こそ、個人的にはそこまで煩悶するものとも、「究極の選択」と呼べるものとも思えず、ちょっと拍子抜けしてしまった。
だって、それどころじゃないほどもっと大変な病気とか山程ありますやん?
だが、個人的な意見を脇にどければ物語を締める役割は果たしており、社会派と本格の融合の成功例として挙げるには十分な佳作であろう。
18.7.15
評価:★★★ 6
肝臓移植しなければ死を待つだけの意識不明の患者に、移植手術の実績を上げたい医師はドナーとして利用するため死を宣告する。
だがそのライバルの医師は、患者の友人に肝臓移植の可能性を最後まで探ると告げる。そのさなかに当の患者が失踪を遂げ…「優先順位」
他4編を収録。
~感想~
冒頭の「優先順位」が長編を短編に圧縮したように、矢継ぎ早に事件が起こる濃厚な一作でその後に期待を抱かせたが、続く3編はそこまでの濃さはなく、またタイトルの「黙過」をなぞるように結末がなんとも煮え切らず、物足りなさを感じた。
しかしラストの「究極の選択」は思いも寄らない展開を見せ、同時に作品全体の評価が一変する。
もっとも、最後の最後に姿を現すとある事実こそ、個人的にはそこまで煩悶するものとも、「究極の選択」と呼べるものとも思えず、ちょっと拍子抜けしてしまった。
だって、それどころじゃないほどもっと大変な病気とか山程ありますやん?
だが、個人的な意見を脇にどければ物語を締める役割は果たしており、社会派と本格の融合の成功例として挙げるには十分な佳作であろう。
18.7.15
評価:★★★ 6