~あらすじ~
作家・浦賀和宏が死んだ。彼は生前、10歳の頃に友人を死に追いやったと思われる三人組を執拗に追いかけ回していた。その顛末を小説に仕立てた「デルタの悲劇」を、浦賀の母はある人物に送る。
~感想~
また浦賀が作中で死に(直近2作で連続で死ぬなw)、現実にも急逝し本当に遺作になってしまうというシャレにならない事態が起こったが、この前に読んだ「究極の純愛小説を、君に」とは異なり、浦賀が死ぬのはトリックとプロット上の要請によるもので「究極の~」のような、現実と虚構がリンクした切なさや追悼作品のような雰囲気は感じられない。
これで浦賀の全作品を読み終えたが、歴代でナンバーワンのトリック特化型のザ・本格ミステリで「人気3品全部乗せ、今ならデザート付き」みたいな贅沢な趣向が凝らされている。
しかも200ページ足らずの短さで、ノンシリーズの文庫本で手に取りやすく、それでいて一つ間違えば今年の本ミスベスト10に引っかかりかねないほどの出来栄えであり、浦賀を知らない人でも本格ミステリファンなら、ちょっと気軽に読んでもらいたい、浦賀入門編にはうってつけの作品に仕上がった。
主人公の名前が他作品にも出てくる八木剛だが、他作品とはほぼつながりが無いので安心して読んでいただきたい。いや普通に結構すごいことをやっていますよ?
20.4.7
評価:★★★★ 8
作家・浦賀和宏が死んだ。彼は生前、10歳の頃に友人を死に追いやったと思われる三人組を執拗に追いかけ回していた。その顛末を小説に仕立てた「デルタの悲劇」を、浦賀の母はある人物に送る。
~感想~
また浦賀が作中で死に(直近2作で連続で死ぬなw)、現実にも急逝し本当に遺作になってしまうというシャレにならない事態が起こったが、この前に読んだ「究極の純愛小説を、君に」とは異なり、浦賀が死ぬのはトリックとプロット上の要請によるもので「究極の~」のような、現実と虚構がリンクした切なさや追悼作品のような雰囲気は感じられない。
これで浦賀の全作品を読み終えたが、歴代でナンバーワンのトリック特化型のザ・本格ミステリで「人気3品全部乗せ、今ならデザート付き」みたいな贅沢な趣向が凝らされている。
しかも200ページ足らずの短さで、ノンシリーズの文庫本で手に取りやすく、それでいて一つ間違えば今年の本ミスベスト10に引っかかりかねないほどの出来栄えであり、浦賀を知らない人でも本格ミステリファンなら、ちょっと気軽に読んでもらいたい、浦賀入門編にはうってつけの作品に仕上がった。
主人公の名前が他作品にも出てくる八木剛だが、他作品とはほぼつながりが無いので安心して読んでいただきたい。いや普通に結構すごいことをやっていますよ?
20.4.7
評価:★★★★ 8