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ミステリ感想-『オメガ城の惨劇』森博嗣

2022年10月28日 | ミステリ感想
~あらすじ~
マガタ・シキの名でオメガ城へ招待された7人。サイカワ・ソウヘイら著名な学者がいる一方で雑誌記者や無名の画家も含まれ共通点はわからない。
城主不在のまま歓待され、そしてその夜、惨劇は起こった。


~感想~
もともと作家森博嗣の最終作品と予告されていたがまだまだ出そう。しかしノベルス版・単行本版で同時に出したりと盛り上げており、いちおうはGシリーズ最終作ではある模様。
内容はシリーズ完結の10年後に書かれた外伝かボーナストラック的なもので、前作までにとんでもないことになった流れからは外れ、独立した一冊となっている。
そういえばS&MシリーズもVシリーズも完結編はアレだったわけで、密室事件が同時多発すると「またアレか!」と身構えてしまうが今回はいちおう大丈夫。非常にざっくりしたものではあるが意外な仕掛けもあるにはある。
ただタイトルには偽りありだし、解決後の種明かしで、シリーズをここまで追いかけてきた読者に向けてのサービスもあるが、それが余計に外伝・ボーナストラック感をいやましており、これが完結編だとしっくり来る読者はこの世に数人いるかどうか。
本当におまけみたいな内容の、期待に応えられないコレジャナイロボなので評価に困ってしまうが、ここまでシリーズを追ってきたなら黙って読むべきだろうし、どうせみんな読むだろう。


22.10.20
評価:★★☆ 5
コメント (2)