~あらすじ~
主に迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」の水戸部裕は、年上の女性警官の朝香千津子とともに17年前の代官山での殺人事件の極秘再捜査を命じられる。17年前の事件は被疑者死亡で決着していたが、その現場から採取されたDNAが先日の殺人事件でも発見され、連続殺人事件の可能性があるという。
上層部の面子を守るためたった二人での再捜査に水戸部と朝香は挑む。
2013年このミス14位、文春9位
~感想~
極めて地味だった前作「地層捜査」の反省を活かし(?)ブラッシュアップされた結果、各種ランキングを賑わせたシリーズ第二弾。なお序盤に「地層捜査」のネタバレがされているので先に読まないように。
前作は地味な事件を地味な刑事が追う地味な話だったが、本作ではいろいろ工夫を凝らしてきた。まず相棒に女性警官(※年上既婚)を据え、女性ならではの視点と知識そして卓越した情報収集能力で水戸部に足りないものを補う。
なお水戸部は愛妻家で朝香も子煩悩であり両者の間には仕事上の付き合いしかないし、そもそもロマンス(死語)めいたことをしている時間の余裕もない。
そのタイムリミットを付けたのも良好で、現在の事件が解決される前に17年前の真相を突き止める必要があり、しかも現在の事件の捜査に17年前にも携わった時田悟刑事を据えたのもお見事。視点は水戸部・朝香組、時田、鑑識の中島の三者から描かれ、敏腕すぎる3組が連携しあっという間に真相に迫っていく。
その工夫とスピード感をもってしてなお地味さは拭いきれないが、丁寧に作られた職人芸のような警察小説であり、一読の価値はある。
22.10.27
評価:★★★ 6
主に迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」の水戸部裕は、年上の女性警官の朝香千津子とともに17年前の代官山での殺人事件の極秘再捜査を命じられる。17年前の事件は被疑者死亡で決着していたが、その現場から採取されたDNAが先日の殺人事件でも発見され、連続殺人事件の可能性があるという。
上層部の面子を守るためたった二人での再捜査に水戸部と朝香は挑む。
2013年このミス14位、文春9位
~感想~
極めて地味だった前作「地層捜査」の反省を活かし(?)ブラッシュアップされた結果、各種ランキングを賑わせたシリーズ第二弾。なお序盤に「地層捜査」のネタバレがされているので先に読まないように。
前作は地味な事件を地味な刑事が追う地味な話だったが、本作ではいろいろ工夫を凝らしてきた。まず相棒に女性警官(※年上既婚)を据え、女性ならではの視点と知識そして卓越した情報収集能力で水戸部に足りないものを補う。
なお水戸部は愛妻家で朝香も子煩悩であり両者の間には仕事上の付き合いしかないし、そもそもロマンス(死語)めいたことをしている時間の余裕もない。
そのタイムリミットを付けたのも良好で、現在の事件が解決される前に17年前の真相を突き止める必要があり、しかも現在の事件の捜査に17年前にも携わった時田悟刑事を据えたのもお見事。視点は水戸部・朝香組、時田、鑑識の中島の三者から描かれ、敏腕すぎる3組が連携しあっという間に真相に迫っていく。
その工夫とスピード感をもってしてなお地味さは拭いきれないが、丁寧に作られた職人芸のような警察小説であり、一読の価値はある。
22.10.27
評価:★★★ 6