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ブンガク感想-『私の男』桜庭一樹

2008年05月02日 | ミステリ感想
~あらすじ~
優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。
※コピペ


~感想~
これなんてエロゲ?

一口で言えば、義理の父娘で近親相姦かと思ったら実の父娘で近親相姦でした。というだけのお話。
物語が進むごとに時系列がさかのぼっていくという形式だけが目新しいが、そのぶん娘の年齢もどんどん若返ってしまい、エロゲからこれなんてロリゲ?へと進化を遂げる。
児童ポルノ禁止法が施行されたら真っ先に焚書坑儒されるだろうから、興味のある方はお早めに。
また時系列をさかのぼっても、大きなお友達が喜ぶだけで物語に広がりが出るわけでもない。もし過去から未来へと普通に書いたとしたら、メンヘル女がメタボ女をげしげし蹴りまくるという衝撃のラストを迎えてしまうので、むしろその方が斯界の話題を呼んだかも。(普通の時系列順ならもうちょっと考えたラストにするだろうけども)
たしかに直木賞という肩書を冠した、実父が幼女にク●ニするという小説は空前絶後だろう。見どころと言えばそれだけか。

これが「文学」であり「直木賞」であるならば、やはり僕の人生に「ブンガク」は必要ないなあという思いを深くした。もっと面白い「小説」いくらでも知ってるぜ?


~余談~
なお選考委員の一人が「こんなものを世に出してもいいのだろうか」というトンチキな発言をしたが「あんたが出版するのか」とか「とっくに世に出されてる」とか「直木賞を取らなきゃ世に出たことにならないのか」とかいうツッコミはあえてしないことにしておく。


08.3.20
評価:★ 2
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