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映画感想―『ゴールデンスランバー』

2010年10月09日 | 映画感想

~あらすじ~
野党初の首相となった金田が、仙台市内で凱旋パレードを行うその日、数年ぶりに大学時代の友人・森田に呼び出された青柳は、森田から「お前、オズワルドにされるぞ」「逃げろ。とにかく逃げて、生きろ」という忠告を受ける。
そして背後で爆発音がとどろき……。


~感想~
非常に良くできた映画だが、それは原作が非常に良くできているからであって、実写化にあたっての演出が作品自体に寄与したことはただの一つもない。
21世紀にもなって「胸ポケットに入れた思い出の品が銃弾から守ってくれた」などというベタにベタを重ねたベッタベタな糞オリジナル演出を臆面もなく放りこむ駄監督に、そんなことを望むことが間違っているのだ。
原作を忠実になぞるために2時間半もの長尺になったことや、それでもなお足りない伏線が次々と目に留まるのもいただけないが、俳優陣の好演や(さわやかなのにどこかうさん臭い堺雅人を主役に選んだのは慧眼だ)原作の素材の良さをそのままに扱おうとした姿勢は正しいと思える。それだけに胸ポケット云々が糞ほど蛇足なのだが……。

付記:調べたところ監督の中村義洋は「チーム・バチスタの栄光」でも糞ほど余分なオリジナル演出に力を注いでいたことに気づいた。余計なことに情熱を傾けたがる人なのだろう。……って「ほんとにあった!呪いのビデオ」のナレーションってこいつなんだ!


評価:★★☆ 5(原作未読なら★★★★ 8)
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