先(セン、前回)述べたように、石原氏は新しいホビーホースとして橋下徹氏に飛び乗ったきらいがある。
石原氏が猪瀬氏を副知事にしたのは、明確な思惑があってのことで、成功したといえる。簡単にいえば、都庁の官僚群をどやしつけるためであって、誰でもよかったのである。石原氏は最初テリー伊藤氏に副知事の声をかけた。断られて上昇志向の(出世願望の)強い猪瀬氏に落ち着いたわけだ。
石原氏が猪瀬副知事に期待した役割はさして難しいものではない。そのままならよかったのだが。
ところが、新しいホビーホースの出現ですっかり嫌になっていた都知事を抛り出した。あとはどうするかとマスコミに聞かれて、深く考えもせずに「猪瀬氏」とつぶやいたのだろう。
都知事がやれるかどうかは、副知事で「きわめて特殊な石原氏から与えられた仕事をこなすこと」とはまったく違う。石原氏の「推薦」はきわめて軽はずみなものだったと言える。