東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

『イスラム国』人質報道に欠けているもの

2015-02-01 19:16:24 | 人質報道
後藤さんたちの事件が表面化したのは先月の20日ごろだったと記憶するが、事件は日曜日の惨劇となって衝撃が日本や世界中をゆるがした。この間の報道を見ると、なにか重大な問題が欠落しているような気がしてならない。

すでに事件報道が始まってから二週間にもなろうというのに、である。安倍首相の演説、一億ドルだか二億ドルの援助をするという中東訪問先での発表とか、イスラエル首相との共同記者会見とかが引き金になったと言われる。そのことはここでも書いたし、マスコミでも当然その線で報道している。それはいい。

これらのことがいたく彼らを刺激したことは容易に想像出来るが、問題は彼らの行動の理由がそれだけか、という疑問である。英米のジャーナリストを同様に処刑して残虐性をしめしているとはいえ、日本をあれほどまでに急に敵視するように変化した原因になるだろうか、という疑問である。勿論あまり理性的に考える集団ではない、あり得ることだと言う議論もなりたつだろう。刺激の強度が識閾を超えるほどのものであったのか。100パーセントの得心がいかないのはこの点である。

そういうことも大いにあり得るが、絶対にそうだといいきれるのか。マスコミはこの点をよく調査取材すべきだろう。

これは後藤さんのことを言っているのではないが、一般論としてフリージャーナリストというのは様々のことをするもので、双方から公表されていないことで、なにか相手を決定的に激怒させるような側面があったのかどうか。もしそうだとすると、日本政府も関係しているのかも知れない。いや、むしろ英米のマスコミ、政府との関係のほうが可能性はたかいかもしれない。その徴候はマスコミ報道だけをみていても感じられる。