「巧言令色鮮し仁」とは論語にあるが、令の意味は「他人の気に入るように取り繕い飾った顔つき」という意味である。ようするに真心からの素朴な美しさではなく、老女の、芸人の、女役者の、厚化粧のようなものである。ポジティヴな意味はまったくない。政治家のパーフォーマンスのようなものである。良い意味は一つもない。
これも贅言の贅言であるが、令月を良い月と解釈するのが通例らしいが(安倍首相の取り巻き学者によると)、「早春の令月」は前に述べたように「早春二月」と解釈すべきではなかろうか。注
それにしても、よりによって酷い元号を選んだものだ。あとはひたすら凶運を呼び込まないように注意するしかない。
注:いま気が付いたが序文に「天平二年正月十三日師老の宅にあつまりて宴会を申す也」とある。とすれば令月とは二月ではない。訂正します。しかし旧暦正月はだいたい今の二月である。月を愛でながら宴会というからには夜であろうが、厳寒の夜に宴会をするものであろうか。現在の三月末の夜桜見物でも相当に寒い夜がある。かりに屋内で宴会をしたとしても、ガラス戸の無い当時窓(障子?)を開け放さないと庭は見えない。寒さは野外と同じだ。
ところで最近はコンピューターで昔の月齢が計算できるソフトがある。天平二年正月十三日は満月だったか調べるのも一興だろう。正月十三日を太陽暦に変換することも忘れないように。
テレビでみると大宰府の博物館には問題の梅花の宴の模型(フィギュアというのか)があるが、どうも屋外、庭での宴会のようである。お月様が出ていたかどうかは確認できないが。お寒いことで。
さらに追加:令月の月はmoonではなくてmonthなんだ。令はgoodとかluckyとかで吉日の吉に当たるのが令で、つまり新春吉月ということなんだな。いずれにせよ極めてシナ的だ。やまと言葉ではない。
cky