東方のあけぼの

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トランプ大統領就任演説

2017-01-21 09:43:27 | トランプ大統領就任演説

どうも問題が有りすぎる。突っ込もうとすればいくらでも問題がある。香具師のバナナの叩き売りの口上のような分かりやすさ、言語明瞭な調子よさはあるが。

テレビの放映が演説のつまみ食いをして、オイラがさらにそれのつまみ食いをする。朝の忙しい時にテレビばかり見ている訳にはいかないからね。ま、その印象である。順不同でいく。

まず第一にアメリカ人の中東コンプレックスは全然克服されていない。そう言う意味ではアメリカの固定観念(中東)はさらに幼児化している。たしかに戦略的に重要な所なんだろうが、どうしてアメリカは中東を放っておけないのかな。強迫観念だよ、心理学的に言えば。

戦前の日本が満州の支那ゲリラに悩まされ、問題を解決しようとしてゲリラの淵源であるシナ本土奥地に侵攻して骨がらみになったようにアメリカもなるよ。

ブッシュ(息子の方)が第二次イラク戦争を始めたのは、フセインが第一次侵攻をしたオヤジ・ブッシュの写真を道路に敷いて国民に踏みつけさせたのを根に持って、でっち上げた根拠で愚かな戦争を始めた。これなど中東というアメリカの強迫観念の典型的な例である。

第一次世界大戦まで、この地域に何百年の間安定と平和をもたらしたオスマン・トルコ帝国のようにこの広大な地域を安定させれば、アメリカのおせっかいな介入も理由が後付出来たかも知れない。下手な外科医が手術した癌の患者の様に癌細胞は中東の全地域に移転し深刻化している。

マスクも手袋も白衣も着ないで患者を弄くり回してもろに返り血を浴びているのがアメリカである。トランプは、患者がどんどん病状が悪化するのに慌ててさらに患者をメスで滅多切りにしようというのだ。

アメリカが泥沼にはまり込んで行くのをそそのかし、最大の利益を得ているのが中国である。口ではアメリカの中東政策に賛成した。それで幼稚なアメリカは支那に人権問題や侵略の免罪符を与えた。アメリカが夢中になって中東という患者を切り刻んで乱心し他に気が回らないでいる間に支那は着々と軍備を増強し、侵略を拡大させた。アメリカ人は理解しているのか。

アメリカの従来のエスタブリッシュメントも気が付いていないのだからトランプが理解出来る筈がない。勿論中国はアメリカのグローバル企業や従来型のワシントンの政治家(ヒラリーに代表される)に飴をしゃぶらせていたのは当然である。

歴史に学ぼう。第二次世界大戦で日本とアメリカを戦わせようとしたのはソ連(コミンテルンという国際的組織)である。ヒトラーはソ連に侵攻した。其の前に欧州全域を戦争に巻き込んだ。しかしアメリカは参戦しない。アメリカ国民の厭戦気分がルーズベルト大統領にそれを許さなかった。コミンテルンはアメリカ国務省と日本の近衛文麿首相のブレーンにスパイを潜り込ませていた(ゾルゲおよび朝日新聞記者尾崎秀実である)。

日米を戦わせればソ連の敵である資本主義国日本とアメリカは疲弊する。また、アメリカはドイツにも宣戦布告せざるをえず欧州戦線にもアメリカを引きずり出せる。日本は目の覚めるような鮮やかな奇襲攻撃で真珠湾を攻撃しアメリカの太平洋艦隊を壊滅させた(空母を除く)。アメリカは日本に宣戦を布告しアメリカ国民の厭戦気分は吹っ飛んだ。

第二次世界大戦でソ連はアメリカと並ぶ二大強国にのしあがった。おもわくがあたった。それは1980年代末にソ連が冷戦に敗れるまで続いた。ソ連の誤算はアメリカが益々つよくなったことだが、そのかわりアメリカから南サハリンと千島列島全部、北方四島までの地域を日本から奪うことを黙認され、アジアでのソ連の安全保障能力は飛躍的に強化されたのである。歴史に学ぶ、とはこう言うことを言うのだよ。

ひるがえって現代の国際情勢を顧みるにアメリカが中東紛争に疲弊する間に中国は国力を飛躍的に増大させた。あだかも第二次世界大戦前後の国際情勢を見るが如くである。

アメリカは日本やメキシコからの輸入にいちゃもんをつけているが、アメリカの国富が中東紛争の泥沼に足をとられて、どれだけ吸い取られたか考えたことが有るのか。

 

 


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