東方のあけぼの

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公安の立ち位置

2014-12-30 10:03:06 | 社会・経済
今日の産經新聞に「世田谷一家殺害事件捜査長期化のなぜ:否定しがたい初動ミス」という特集記事がある。掲載されているのは「東京」という地方版のページである。

二点ほど興味をひいたポイントがある。

1:
日米の保有する指紋データベースを相互に照会出来る協定の実現を目指していて実現すれば世田谷事件の解決に役立つのではないか、というのだ。これは産経編集部の意見ではなく当局者の意見であろう(記事では明確ではない)。

先日紹介した日曜のフジテレビ報道2001に出演していた自民党代議士平沢氏(警察庁出身)は米国、韓国と日本の間で指紋照合データベースの共用を交渉していて、実現すれば世田谷のような事件にも役立つと話していた。

ということは、犯人が外国人特に韓国人あるいは米国人である可能性を相当高くみているということだ。FBIのプロファイラーが日本人の若い男と断定したのは不可解である。上記の米国の指紋データベースはFBIだけではなく、CIAと共用であろう。とすると、そのデータベースには米国人以外のデータも多数含まれていると考えられる。

2:
事件の捜査で、聞き込みに人手不足を理由に機動隊を使ったとある。聞きこみの経験の無い機動隊を使ったことを新聞も警察幹部も批判している。ここも単純な人手不足では説明出来ない背景があると思われる。当局(警察と公安を総括する)が意図的に捜査をミスリードした可能性もある(つまり世間の目を他に向けさせる)。

事件、紛争を解決する全く異なる三つの手段がある。

第一が警察である。裁判に持ち込むことを前提とするから証拠至上主義である。スピードに問題があり、いたずらに完璧な証拠を求めて大局を見失う場合がある。

第二が軍事力による解決である。素早く相手の反撃能力を破壊するのが使命で証拠とか逮捕して尋問という間接的な手段はそれが現実的に可能でない場合はとらない。

第三が公安である。裁判を前提としない。したがって完璧な客観的証拠をそろえるために時間を空費しない。つまり状況証拠を重視する比重が高い。解決した場合でも公表しないことが多い。

先に述べた機動隊は準軍隊であり、不適切な使用であったことは間違いない。
逆に公安が捜査に乗り出して行くというのは適切ではなかったかと思料する。

2:
二番目の問題点は、残された証拠が多すぎる点である。捜査当局は最初「ごちそうさん」と喜んだらしいが(そしてマスコミも追随した)、前回推測で述べた様にプロの仕業とすると、これらは犯人が別に用意した全く彼らと関係のないものではないのか。この点の確認は、つまり本人の物であるという結論はどのようにして出したのか。とくに衣類の点に付いては事前に別物を用意するのは極めて簡単である。

また、血液に付いても犯人の物かどうか分からない。犯人にまったく関係のない他人の血かも知れない。それをどう用意したかって ? たとえば犯人が医療関係者(例えば患者の血液を検査する会社の関係者)だったら容易に用意できる。

指紋についてだが(これは全くの素人の意見でごめんなさい)なにかに型を取って他の場所に印鑑の様に押し付けるという方法があるようにどこかの推理小説で読んだ記憶がある。その場合指紋の付き方に不自然なところがないかどうかといいう観点から、これが犯人の物ではない、犯人がわざと撹乱目的でつけたものであると探偵が見破るというようなスジであった。警察は指紋がつきそうな箇所に、かつ、不自然ではなく残されていたということを検証しているのだろうか。



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