東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

吉田茂は親米ではあるが売国奴ではない

2012-08-24 17:13:47 | 社会・経済
親米売国奴というと終戦直後の混乱期の吉田茂元首相を連想する人が多い。

彼は親米を救国のために最大限に利用した政治家である。当時の日本であれ意外の選択は無い。

日本の国力は無に近いまで崩壊していた。二つの強大な敵、脅威があった。対外的には熾烈な東西冷戦が始まった。
アメリカに組しなければソ連は北海道はおろか東北北陸関東まで侵攻してきただろう。

一方国内では吉田茂の不倶戴天の敵、軍部独裁官僚の残党がいつ勢力を盛り返すか分からない。いまだにその可能性を軍部残党は持っていた。

こういう状況で吉田茂はアメリカをああいう形で利用するしか無かった。今日では事情がまったく異なる。吉田茂路線をとる正当性はまったくない。吉田茂が生きていたら、あの路線は踏襲せず破棄していただろう。昭和四十年代には路線変更をしていた可能性が高い。ましてや東西冷戦終結後も同じ政策をとり続けるという白痴のような政策はとらなかっただろう。

吉田茂が現代によみがえったら、日本のていたらくに腰を抜かすに相違ない。

石破茂などの一派は21世紀にいたっても「ああ楽チン、ああ楽チン」と売国路線に成り果てた親米売国路線をとっているのである。