東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

NHK「ノモンハン」を見て

2018-08-15 21:40:35 | テレビ

1:相当部分が米国が旧軍関係者から聴取した録音によっているものとの印象。

米軍がこの種の取材を行った一番の目的はソ連軍の組織、戦闘方法、軍事思想の情報収集であったと思われる。そのうちのごく一部を今回の番組の目的に合わせて編集している印象だった。米軍記録のほかの目的についても触れればもっと説得力があっただろう。

 2:世上これまでにも主犯として辻正信をあげるのが定番である。今回の番組でもその線でまとめているが、実際には彼を利用した上級将校の責任は無視できない。彼が旧上司(複数)の庇護を受けていたという。これは辻がいわゆる将軍たちの茶坊主的存在であったということだろう。づ脳明晰な戦略家ではなくて単なる、すごくいやらしい唾棄すべきお数寄屋坊主ということだ。

3:関東軍の独断専行とか中央の命令を聞かないというが、日本本土の完全施政下にあった時代はともかく、石原なんとやらの策動で満州国を建国したのち名目上満州国は国際法上独立国であり、満州国軍という組織もあったと理解している。そのほかに関東軍も継続して存在したわけだが、一応は独立国である。国際連盟のリットン調査団にもそう説明している。天皇ではなく、名目上は満州国皇帝である愛新覚羅溥儀が国家元首である。が、実際は傀儡で日本の支配下にある。関東軍が日本中央の抑えがきかなくなったのは、ある時はバックの日本帝国を利用し、ある時は国際社会での独立国での立場を都合の良いように使い分けていたからであろう。非常に法的なコントロールがあいまいになってったのではないか。

 国際連盟への体裁など考えずに日本の植民地軍にしていれば、いわゆる「関東軍の独走」は生じなかったであろう。

 ま、こんなところが番組を見た雑感である。

 


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