バイオ燃料が無条件で、環境に優しいわけでもなく、無害でもない。バイオ燃料についての評価を1)食料との競合、2)生産工程全般の評価、3)エネルギーとしての質、の側面から評価しなければならない。
1)アメリカのように、家畜用の飼料(コーン・トウモロコシ)からの蒸留を、石油の高騰に対応するような政策的な意味合いで急速に押し進めると、結局は家畜の飼料ひいては畜産物の生産に大きく影響する。
廃物や、材木などの廃材から生産することで人との競合をなくすることができる。が、これまでにも、家畜に大量の穀物を与えてでも、高生産を先進国が行ってきた経過もあり、金になるなら、人との競合など先進国は考えもしないだろう。セルロースからの生産技術が待たれる。
2)蒸留工場を造ったり、遠隔地から運搬したり、肥料を大量に使うことで大量のエネルギ ーを消費することで、結局はエネルギーとしてのバランスがマイナスになりかねない。
農業者と呼ばれるか解らないが、食料でないために、何よりも生産を優先させるために、大量の化学肥料や農薬それに遺伝子組み替え品種が、無制限に使用されることが危惧される。環境問題を考慮しなければならない。
補助金のある間は何とかやっているような状況では、少なくとも地球温暖化防止には貢献することにならない。
3)エネルギーの質については、未だ不明のことが多く、ガソリンの20倍になる排出物質のアセトアルデヒドの発ガン性の問題や、エンジンの開発技術の向上などは、最後まで残る課題と思われる。
バイオ燃料は、広範囲のエコバランスの評価をやらなければならない。