名古屋で開催されているCOP10であるが、さっそく成果を出してくれた。遺伝子組み換え生物で、生物多様性に障害が生じた場合は、開発者に責任取らせるというものである。どのような障害があるかは解らないし、実際にはその評価を巡ってあるいは保障についても必ず、もめることにはなるいだろう。しかしこうした一定の歯止めは何処かでやらなくてはならない。
とりわけモンサントのように、自らが開発いした除草剤には耐性の作物を作り、その栽培特許を独占して、種をまいた農民は告訴される全く理不尽な企業論理がまかり通っている。企業にとって都合のよい作物を、儲けのために開発する傾向にある、遺伝子組み換え作物は全く安全が保障されていない。
アメリカでは、遺伝子組み換え作物(GM)は改良と同等に扱われ、その生物学的な影響や環境に対する問題や、人に対する障害の有無など全く検討されていない。表示も義務付けられていない。遺伝子組み換え作物はパパブッシュの時代に、モンサントなどの多国籍企業の圧力で、法律的に改良と区別されていないのである。
遺伝子組み換え作物は農家にとってまことにありがたい作物である。抗病性が強く収穫量が多く、消費好みの味になっている。こうした遺伝子組み換え作物は、1996年に比べて昨年には30倍に作付面積になった。世界で1億3400万ヘクタールにもなった。農家に経済性ばかりを求めると自然とこのようになってしまう。
とりわけアメリカでは、かなりのGM作物が作付されている。最も気になるのは、日本の家畜に与えられているトウモロコシの殆どがGM品種である。関税なしで輸入されるアメリカの飼料用穀物による何らかの障害があったとしても、牛に止まるという考え方は間違っている。間接的に、肉や卵や牛乳になって人の食物になるからである。
GM作物は食料危機の切り札と評価するお抱え学者も少なからずいる。1999年にコロンビアでの、カルタヘナ議定書はお題目だけにバイオセフティー条約といわれていたが、なにはともあれこうした形で形を見せたのは評価しなければならない。