地球は長い歴史の中で多くの生命を育んできた。地球が持つ極めて特殊な環境が作り出した多くの、無数の生命体がこの地球と人間などの環境を作り上げている。無数の種はそれぞれの環境の表現者として、あるいは環境の指標として生き続けてきている。多くの種がこの地球から去って行った。残っている種の何倍にもなると思われる。
過去100年にⅠ種程度が絶滅をしてきたのであるが、この1年で100種以上の種が絶滅している。1000倍を超える勢いである。しかも、これまでは自然界の変化や種の問題などのよるものであったのに比べて、現在起きている多くの種の絶滅の原因は人間の活動によるものである。
経済効率一辺倒で地球を凌駕し、人間にとって都合のいいことは何でもやってきたのである。簡単な例では道路を一つ来るだけで、多くの個体が生活できなくなる。人が何気なく作る、コンクリートのU字型の側溝に落ちた昆虫はそこで生命を終えるのである。しかも大地に屍は還元されない。
アメリカではミツバチが大量に消えている。原因はよく解らないが、ミツバチの減少で農作物の30%に影響が出ていると言われている。無謀な灌漑で多くの乾燥地を一旦は農地に変えても、大きく環境を変えたために再生不能になった地域は数知れない。
森をすっかり失くした先進国の環境の多くは、途上国の環境破壊によって支えらていると言って、過言ではない。途上国はその評価を先進国求めているのである。それを、先進国は経済的な負担を理由に、負担を拒否している。先進国のありようも曖昧になってきた。中国は自らを途上国に分類しておきながら、経済発展を遂げ世界第2位の経済大国である。およそ環境問題に関しては、中国とアメリカは自国の主張を譲らない。
環境にやさしいバイオエネルギーを、インドネシアはパームヤシを熱帯雨林を破壊して大量に作りだしている。森を破壊されて分断され、水を汚されてオランウータンなどの動物の存続が危ぶまれている。エンジンが動く時だか環境にやさしいようでは何にもならない。環境を考慮するためには、単独のキーワードでは本質を見失う。視点の多様性も必要なのである。