日本国憲法は今年の憲法記念日で、1947年の施行から71年になる。昨年の憲法記念日に、唐突に安倍晋三は2020年の改正憲法施行を掲げた。党内論議もないままであるが、その内容も主張も矛盾だらけである。
即ち、九条の1、2項は残したままで、3項に自衛隊を明文化すると言うのである。それでこれまでの自衛隊と何ら変わるものはない、というのである。だったらわざわざ憲法を変えることはないだろう。何かを安倍晋三は変えたいから、改憲の必要性を説くのである。説くと言っても、自民党広報誌の読売新聞を読めと言うだけのものである。論議も何もない。
自衛隊が憲法違反と教科書に書いてあるものもある、自衛隊を憲法で認めなければならないと言うのである。ところが、そんなことを記載した教科書は、日本には存在しない。嘘である。
私個人は、自衛隊の存在は憲法違反であると思っているが、現行の憲法を遵守し、専守防衛の自衛隊であれば、災害活動も含めて定着している自衛隊を否定するまでのでもない。
もうすでに3年目にもなるが、安保関連法(戦争法)がすでに憲法九条を破壊してしまっている。自衛隊を海外での戦闘行為が可能にしてしまった。今更改憲でもあるまいが、海外派兵への留めにしたいのであろう。
自民党支持の多くの改憲論者は、安倍の提案を姑息な内容だと断じている。改憲の本丸は、天皇の国家元首と軍隊の所有と、国家を人権の上の持ってくることである。国粋主義と軍国主義の具現を憲法で担保しようとするのである。
そもそも、九条では国際紛争の解決手段にしてはならないと規定している。そこに安保関連法で海外派兵を使命とされた自衛隊を記載することは、矛盾以外の何物でもない。
憲法を変えると言う国民の意思は恒常的に50%近くあったが、安倍晋三の元での改憲反対が60%近くにも上がっている。さらに、1年以上経っても解決されるどころか、次々と新事実が出現して、モリカケ問題は一向に解決の兆しすら見ることができない。配偶者と腹心の友のために、虚言を重ねる哀れな安倍晋三とその周辺の取り巻きの忖度で、政権の信用も地に落ちたままである。
改憲の発議に必要な、3分の2の勢力は確保されてはいるが、先が見えなくなってしまっている。A級戦犯の孫は、戦前回帰に御執心である。そろそろ引き際であることを認識させてやらねばならない。