参議院の民進党の残党と衆議院の希望の党が合流した。政治資金が1円でも多くなるようにと、民進党に希望の党をいったん消滅させて、党名変更で国民民主党ができた次第である。とても汚い醜いそして一般人たちには解り難い、国民不在の政治行動である。
全ては、安全保障しか説かない右寄りの政治学者高坂正堯の門下生の前原誠司が、民主党に在籍してることへの違和感からの脱却指向を、独断で行ったことにある。前原は、思想的にに近い小池百合子の東京都議会選挙の圧勝に、政治的判断、見通しを誤った。
前原の残した混乱の現場を、かつての民主党の若頭だったお人好しの玉木雄一郎と大塚耕平の二人たちが、必死に尻拭いをやっているのが現在の姿である。たった62名の議員だけで何をするというのであるか解らないが、これから減ることはあっても、確実にこの62名は減るし、1年後には存在すら危ぶまれる政党になるであろう。
前原に捨てられた民主党を拾い集めたのが、立憲民主党を立ち上げた枝野幸男である。数合わせを拒否する姿勢を見せているが、本音は前原の分党行動が許せないのである。前原に尾を振った大塚たちを許すわけにはいかない。
民進の残党と支持率ゼロパーセントまで落ちた希望の党は、当初の立憲民主党を含む大同団結が実現できず、希望の立党のメンバーからも見放され、実力のあるベテランからも見放され、野党第一党の立場も取れない62名の船出となった。
やっと船出した政党、国民民主党は立憲民主党を慕っている。それを垣間見ることのできるのが、この党のロゴマークである。そっくりである。立憲民主党のスマートさを打ち消すように字だけは大きい。これはパクリでないのか。性格も行動も共にするのなら、政党など立ち上げる必要はなかったはずである。
今回の分党と言うより分裂という現実は、与党を利するだけである。安倍晋三の虚言や公文書の改ざんや隠ぺいや、配偶者と腹心の友の引き起こした問題の混乱や不条理を、咎めることもできない哀れな弱小野党など必要ない。